岡山のばら寿司は、酢飯に魚介や野菜の具を混ぜ込み、上にも具を彩りよく飾る「ハレの日」のすしです。「まつりずし」「備前ばら寿司」とも呼ばれ、秋祭りや法事、お客さんを迎える日に作られてきました。
この記事では、農林水産省「うちの郷土料理」に載っている岡山市栄養改善協議会のレシピ(4人分)をもとに、材料・酢飯・具の下ごしらえ・盛り付けの手順を順番に解説します。あわせて、池田光政の倹約令にまつわる由来を、公的な資料で確認できる範囲で整理しました。さらに、レシピの調味料を全部足し合わせた量や、岡山の5つの郷土ずしの合わせ酢の比べ、総務省「家計調査」で見た岡山市の材料の買い方も、自分で集計しています(2026年10月29日時点)。
- 農水省に載る岡山のまつりずし(4人分)は具が14種類(魚介6・野菜など8)、手順は12工程
- 手順の中の分量外も足すと、砂糖は大さじ15杯。そのうち11杯は具の味付けで、すし飯より具のほうが甘い
- 岡山の郷土ずし4つの合わせ酢を比べると、砂糖÷酢はままかりずし1.25〜とどめせ0.6。ばら寿司はちょうど1対1
- 由来は「一汁一菜」の倹約令に対し、具をすしに混ぜて「一菜」にした庶民の知恵と伝わります(文化庁の資料には「具材を飯の下に隠して」)
- 岡山市は酢の購入量が52市中8位(全国平均の1.24倍)なのに、支出は48位。安い酢をたくさん買う町です
ちばける具が多くて大変そうに見えますが、一つひとつは「ゆでる・煮る・焼く」だけ。前の日に具を煮ておけば、当日は混ぜて飾るだけです。
岡山のばら寿司(祭りずし)とは?ちらし寿司との違い
農林水産省の「うちの郷土料理」では、まつりずしは「岡山ばらずし」「備前ばら寿司」とも呼ばれ、備前岡山地方でお祭りや祝い事、来客の接待などに作られる料理と紹介されています(農林水産省「まつりずし/ばらずし 岡山県」)。主な伝承地域は「県内全域」です。
一般的なちらし寿司は、酢飯の上に具をのせるものが多いのに対し、岡山のばら寿司は細かく切った具を酢飯に混ぜ込み、形のよい具を上に飾るのが特徴です。岡山県観光連盟の「岡山観光WEB」も、「魚のつけ酢と具を飯に混ぜ込み、ひとつひとつ味付けした具材を華やかに飾った」料理と説明しています(岡山観光WEB「おかやま自慢のご当地グルメ」)。
- サワラを漬けた酢をすし飯に使う:サワラを合わせ酢にくぐらせ、その酢でご飯を合わせます。魚のうまみが酢飯に移ります
- 具を一つずつ別に味付けする:エビは塩ゆで、アナゴは照り焼き、シイタケは甘く煮るなど、具ごとに味が違います
- 季節で具が変わる:農水省の解説では、春はサワラ・フキ・タケノコ、秋はマツタケなど、時季によって入れる具材はさまざまです
- 温めて食べる「ぬくずし」もある:まつりずしを蒸して温めたもので、「ぬくい」は岡山の方言で「温かい」の意味です
ばら寿司の材料(4人分)|具は14種類


農水省に載っている岡山市栄養改善協議会のレシピの材料を、すし飯・魚介・野菜などに分けて並べました。分量は4人分です。
| 分類 | 材料 | 分量 | 下ごしらえ(レシピより) |
|---|---|---|---|
| すし飯 | 米・水・だし昆布 | 米400g・水500cc・昆布10cm角 | 昆布を入れて炊く |
| 合わせ酢 | 砂糖・塩・酢 | 大さじ4・大さじ1/2・大さじ3 | サワラを漬けた後に酢大さじ1を足す |
| 魚介 | サワラ | 4切れ | 塩をふり、合わせ酢に入れて周りが白くなったら出す |
| 魚介 | イカ・エビ | 1ぱい・4尾 | イカは切れ目を入れてそぎ切り、エビは背わたを取ってゆでる |
| 魚介 | ゆでタコ | 1/2本 | そぎ切りにして甘酢に浸す |
| 魚介 | モガイ | 60g | 振り洗いして煮る |
| 魚介 | アナゴ | 2尾 | たれをつけながら照り焼き |
| 野菜など | レンコン | 80g | 飾り用は花形に。酢水で煮て酢に浸す |
| 野菜など | 高野豆腐 | 20g | 戻して煮る |
| 野菜など | ゆでタケノコ・ゴボウ・フキ | 60g・1本・1本 | 高野豆腐の煮汁で煮る(フキは下ゆで) |
| 野菜など | 干しシイタケ | 6枚 | 戻して甘く煮る |
| 野菜など | 卵 | 2個 | 薄く焼いて錦糸卵に |
| 野菜など | サヤエンドウ | 30g | 塩ゆでして飾る |
出典:農林水産省「うちの郷土料理」まつりずし/ばらずし 岡山県(レシピ提供:岡山市栄養改善協議会)。※レシピは地域・家庭によって違いがあります。
モガイなど手に入りにくい具は、入れなくてもかまいません。農水省の解説にも「入れられる具材の魚や野菜は、家庭や地域によってさまざま」とあり、全部そろえなくても岡山のばら寿司になります。
ままかりは入れる?
岡山名物のママカリ(サッパ)は、農水省のまつりずしのレシピには入っていません。ママカリは酢漬けにして、握りずしのようにのせる「ままかりずし」として別の料理になっています(農林水産省「ままかりずし 岡山県」)。ママカリは10月ごろが旬で脂がのると紹介されており、秋のばら寿司の日に、ままかりずしを一緒に並べるのもよい組み合わせです。
酢飯の作り方|サワラを漬けた合わせ酢でご飯を合わせる


ばら寿司の味を決めるのはすし飯です。このレシピでは、先にサワラを合わせ酢に漬け、その酢をすし飯に使います。
サワラに軽く塩をふってしばらくおき、砂糖大さじ4・塩大さじ1/2・酢大さじ3の合わせ酢に入れます。まわりが白くなったら取り出し、残った合わせ酢に酢大さじ1を足しておきます。
米400gを水500ccで、だし昆布(10cm角)を入れて炊きます。
炊き上がったご飯全体に1の合わせ酢をまわしかけ、すし飯にします。しゃもじで切るように混ぜると、ご飯がつぶれにくくなります。
すし桶やバットに広げ、うちわなどで扇いで粗熱を取ります。具を混ぜるのは、すし飯が人肌くらいに冷めてからにします。
岡山の郷土ずしの合わせ酢を比べてみた
農水省「うちの郷土料理」には、岡山県のすしがほかにも載っています。それぞれのすし飯に使う合わせ酢を並べ、砂糖が酢の何倍かを計算しました(どちらも大さじの容量で比べています。とどめせの酢100mlは大さじ約6.7杯で計算)。
| すし | 伝わる地域 | 米 | 合わせ酢 | 砂糖÷酢 |
|---|---|---|---|---|
| まつりずし/ばらずし | 県内全域 | 米400g(4人分) | 酢 大さじ4・砂糖 大さじ4・塩 大さじ1/2 | 1.0 |
| さわらのこうこずし | 備前市(日生) | 米カップ4(4人分) | 酢 大さじ5・砂糖 大さじ3と1/2・塩 小さじ1 | 0.7 |
| ままかりずし | 瀬戸内海沿岸 | 米3カップ(4人分) | 酢 大さじ4・砂糖 大さじ5・塩 少々 | 1.25 |
| とどめせ | 瀬戸内市 | 米5合(8人分) | 酢 大さじ約6.7・砂糖 大さじ4・塩 小さじ1 | 0.6 |
- ばら寿司は砂糖と酢が同じ量(1対1)。甘さと酸っぱさが半々の、甘めのすし飯です
- いちばん甘いのはままかりずし(1.25)。酢漬けのママカリをのせるため、すし飯を甘くしてバランスを取っていると考えられます
- 日生のさわらのこうこずし(0.7)と瀬戸内市のとどめせ(0.6)は酢が勝つ配合です。とどめせは具を炊き込んだご飯に酢を混ぜるので、具の甘みがご飯に入っています
- 美作市の黒豆入りちらしずしは酢50cc・砂糖60g・塩5g。砂糖が重さで書かれているため比率は出していません
家でばら寿司を作るとき、甘すぎると感じたら砂糖を少し減らし、酸っぱすぎると感じたら砂糖を足すと、この表の幅の中で好みの味に寄せられます。
具の下ごしらえ|魚介6種と野菜など8種を一つずつ
レシピの12工程のうち、9工程がゆでる・煮る・焼く作業です。量は多く見えますが、同じ煮汁を使い回すなど、手間を減らす工夫が入っています。飾り用に形のよいものを少し残し、残りは小さく切ってすし飯に混ぜます。
魚介の下ごしらえ
- イカ:5mm幅の切れ目を入れ、一口大にそぎ切りにしてゆでる
- エビ:背わたを取ってゆでる(飾り用にそのままの形で残す)
- タコ:そぎ切りにして、甘酢(砂糖・酢各大さじ1、塩少々)に浸す
- モガイ:振り洗いして、砂糖小さじ1・みりんとしょうゆ各大さじ1で煮る
- アナゴ:砂糖・みりん・しょうゆ各大さじ1のたれをつけながら照り焼きにする。飾り用を少し残し、あとは小さく切る
野菜・卵の下ごしらえ
- レンコン:飾り用は花形に、残りは小さく切る。酢水で煮たあと、酢大さじ1を加えて浸しておく
- 高野豆腐:戻して、砂糖大さじ2・塩小さじ1/2・だし汁で煮る。飾り用を少し残して小さく切る
- タケノコ・ゴボウ・フキ:高野豆腐の煮汁に、薄切りのタケノコとささがきのゴボウを入れて煮る。下ゆでして小さく切ったフキを加えて火を止める
- 干しシイタケ:戻して、戻し汁・砂糖大さじ6・しょうゆ大さじ1で煮る
- 卵:砂糖小さじ2・塩少々を入れて薄く焼き、錦糸卵にする
- サヤエンドウ:塩ゆでする(飾り用)
高野豆腐の煮汁でタケノコ・ゴボウ・フキを続けて煮るのが、このレシピの手間を減らすポイントです。煮物は前の日に作っておけるので、祭りの前日に具を煮て、当日の朝にすし飯を炊く段取りにすると楽になります。作った具は冷蔵庫で保存しましょう。
混ぜて盛り付ける|飾り用の具を残しておくのがコツ


最後の工程は、レシピでは「飾り用以外の具をごはんに混ぜ、器に盛り飾り用の具、塩ゆでしたサヤエンドウを彩りよくのせる」とあります。
- 混ぜる具:小さく切ったアナゴ・高野豆腐・レンコン、タケノコ・ゴボウ・フキ、シイタケ、モガイ、イカ、タコなど
- 上に飾る具:錦糸卵を全体に広げ、その上にエビ、花形のレンコン、サワラ、アナゴ、サヤエンドウを散らす
- 色のバランス:錦糸卵の黄、エビの赤、サヤエンドウの緑、シイタケの茶がそろうと華やかになります
作ったら早めに食べる・残りは冷蔵庫へ
ばら寿司は大人数で囲む料理なので、作ってから食べるまでの時間が長くなりがちです。厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」では、「調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません」とし、冷やして食べる料理は10℃以下が目安、残った食品は「早く冷えるように浅い容器に小分けして保存」するよう呼びかけています(厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」)。生の魚を使う場合は特に、すぐに食べない分は冷蔵庫に入れましょう。
冷えたら「ぬくずし」に
農水省の解説には、まつりずしを蒸して温めた「ぬくずし」という食べ方も紹介されています。冷蔵庫に入れて固くなったすし飯も、蒸すとやわらかくなります。電子レンジで温める場合も、中まで十分に温めてから食べてください。
ばら寿司の由来|池田光政の倹約令と「一汁一菜」
岡山のばら寿司の始まりとして、よく知られているのが江戸時代の倹約令にまつわる話です。岡山県観光連盟の岡山観光WEBは、次のように紹介しています(岡山観光WEB「岡山ばらずし」)。
- 備前岡山藩の初代藩主・池田光政が質素倹約を奨励し、「食膳は一汁一菜とする」という倹約令を出した
- これに対して庶民が「ご飯の上に乗せても一菜は一菜」と、ご飯に魚や野菜をのせて「ばら寿司」として食べたのが始まりと言われている
農林水産省の解説も同じ筋立てで、「魚や野菜をすしの具に使えば飯を食べる時のお菜ではなくなる、という理屈で」、たらい状の半切り桶に詰めたすし飯に、味をつけた野菜や魚介類を十種余りも入れてかき混ぜて食べた、と説明しています。いずれも「始まりと言われている」という伝承で、倹約令の年や文面を示した記述はありません。


「どんでん返し」の話はどこまで確かめられる?
ばら寿司には「具をご飯の下に隠し、食べるときに器をひっくり返した」という、いわゆるどんでん返しの話もよく語られます。公的な資料でこれに近い記述があるのは、文化庁の「100年フード」です。2025年度(令和7年度)に「伝統の100年フード部門」に認定された「岡山ばらずし」の紹介に、「江戸時代の備前岡山藩主による『倹約令』下では、具材を飯の下に隠して愉しむ庶民の知恵から独自の進化を遂げたと言われています」とあります(文化庁「100年フード」岡山県)。
一方で、器をひっくり返すという具体的な場面は、今回確認した農水省・岡山観光WEB・文化庁の説明には出てきません。「具を飯の下に隠した」までは公的な紹介文にある伝承、ひっくり返す場面は語り継がれている話の一つとして楽しむのがよさそうです。
さらに古い「元祖」とされる、とどめせ
瀬戸内市長船町福岡に伝わる「とどめせ」は、炊き込みご飯に酢を混ぜた煮込み寿司で、農水省は「後の備前ばら寿司の元祖と言われている」と紹介しています。鎌倉時代の「福岡の市」で、武士が酸っぱくなったどぶろくを炊き込みご飯に入れたらおいしくなったのが始まりとされ、「どぶろくめし」がなまって「とどめせ」になったと伝わります(農林水産省「とどめせ 岡山県」)。文化庁の紹介文にある「鎌倉時代の偶然の発見から始まったともいわれ」も、この話を指すと見られます。
郷土料理百選・100年フード・駅弁
- 農林水産省の「農山漁村の郷土料理百選」に、ままかりずしとともに選ばれている(農水省「ままかりずし」の解説より)
- 文化庁「100年フード」の伝統の100年フード部門に、2025年度(令和7年度)認定。申請団体は「晴寿司ブランド推進会議」
- 酢飯の上に具を並べた駅弁「桃太郎の祭りずし」は、岡山駅構内で50年以上のロングセラー(農水省の解説より)
文化庁の紹介文は、ライフスタイルの変化や食材確保の難しさから「その存続が危ぶまれています」とも書いています。家で作る機会が減っているからこそ、一度レシピどおりに作ってみる価値がある料理です。
レシピの調味料を全部足すと?砂糖は大さじ15杯
農水省のレシピには、材料表に書かれた合わせ酢のほかに、手順の中に「分量外」として煮物やたれの調味料が出てきます。これを全部拾って足し合わせました(単位は大さじ。小さじ1=大さじ1/3で換算)。
| 使うところ | 砂糖 | 酢 | しょうゆ |
|---|---|---|---|
| すし飯の合わせ酢(サワラを漬けた後に酢を足す) | 4 | 4 | — |
| タコの甘酢 | 1 | 1 | — |
| モガイを煮る | 1/3 | — | 1 |
| アナゴの照り焼きのたれ | 1 | — | 1 |
| レンコン(煮た後に浸す酢) | — | 1 | — |
| 高野豆腐(煮汁でタケノコ・ゴボウ・フキも煮る) | 2 | — | — |
| 干しシイタケを煮る | 6 | — | 1 |
| 錦糸卵 | 2/3 | — | — |
| 合計 | 15 | 6 | 3 |
※みりん(モガイ・アナゴで各大さじ1)、塩、だし汁、シイタケの戻し汁、レンコンを煮る酢水は表に入れていません。高野豆腐の煮汁は、そのままタケノコ・ゴボウ・フキを煮るのに使います。
- 砂糖は4人分で大さじ15杯、1人分にすると大さじ約3.8杯です
- そのうちすし飯に入るのは大さじ4杯だけで、残りの11杯は具の味付け。ばら寿司の甘さは、すし飯より具から来ています
- いちばん砂糖を使うのは干しシイタケの煮物(大さじ6杯)で、全体の40%を占めます
- 酢は大さじ6杯。すし飯のほか、タコの甘酢やレンコンにも使い、具にも酸味をつけています
甘さを控えたいときは、すし飯よりもシイタケの煮物の砂糖を減らすほうが、全体の甘さに効きます。
家計調査で見る岡山市の「ばら寿司の材料」|酢の購入量は8位
総務省の家計調査(二人以上の世帯)の「品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング」(2023〜2025年平均、52市)から、ばら寿司に使う材料の品目で岡山市の順位を調べました(総務省統計局 家計調査 品目別ランキング)。順位は1世帯あたりの年間の支出額・購入量が多い順です。家計調査にサワラの品目はないため、サワラやアナゴが入る「他の鮮魚」で見ています(家計調査 収支項目分類表で、他の鮮魚の例に「さわら」「あなご」が挙がっています)。
| 品目 | ばら寿司では | 岡山市の年間支出 | 支出の順位 | 購入量の順位 |
|---|---|---|---|---|
| 他の鮮魚(さわら・あなご等) | サワラ・アナゴ | 7,582円(全国の1.11倍) | 11位 | 19位 |
| えび | エビ | 3,021円(全国の1.02倍) | 25位 | 13位 |
| いか | イカ | 1,642円(全国の1.0倍) | 26位 | 36位 |
| たこ | タコ | 999円(全国の0.88倍) | 28位 | 22位 |
| 卵 | 錦糸卵 | 13,225円(全国の1.02倍) | 24位 | 23位 |
| れんこん | レンコン | 913円(全国の0.92倍) | 32位 | 27位 |
| ごぼう | ゴボウ | 1,085円(全国の1.1倍) | 14位 | 17位 |
| たけのこ | タケノコ | 312円(全国の0.46倍) | 51位 | 51位 |
| 干ししいたけ | 干しシイタケ | 218円(全国の0.6倍) | 46位 | 45位 |
| 砂糖 | 合わせ酢・煮物 | 1,104円(全国の0.96倍) | 27位 | 28位 |
| 酢 | 合わせ酢 | 637円(全国の0.84倍) | 48位 | 8位 |
| すし(外食) | お店で食べるすし | 14,554円(全国の0.88倍) | 41位 | — |
| すし(弁当) | 持ち帰りのすし | 14,842円(全国の0.93倍) | 35位 | — |
※52市中の順位(1位=最も多い)。全国の倍率は全国平均に対する比で筆者計算。「—」は購入量の統計がない品目。
- 酢:購入量は年1,773mlで52市中8位(全国平均の1.24倍)なのに、支出は48位。支出÷購入量で1リットルあたりの値段を出すと、岡山市は約359円、全国平均は約528円で、岡山市は約32%安い酢を多く買っている計算です
- 他の鮮魚(さわら・あなごなど)は支出11位で、選んだ品目の中ではいちばん上位。えびは購入量が13位(全国の1.15倍)です
- ごぼうは支出14位と上位。一方でたけのこは支出・購入量とも51位、干ししいたけも46位と下位です
- すし(外食)は14,554円で41位、すし(弁当)は35位。すしにお金をかける町ではありません
家計調査は1年中の買い物の平均なので、祭りの日だけの買い物は見えません。また、すし酢(合わせ酢)は「酢」ではなく「他の調味料」に入るなど、品目の決まりにも注意が必要です。それでも、酢を多く買う・魚はさわらなど「その他の魚」に強いという岡山市の傾向は、ばら寿司を作る家庭の台所と重なって見えます。
岡山のばら寿司についてよくある質問
- 岡山のばら寿司とちらし寿司の違いは何ですか?
-
岡山のばら寿司は、細かく切って一つずつ味付けした具を酢飯に混ぜ込み、形のよい具を上に飾るのが特徴です。サワラを漬けた酢をすし飯に使うのも岡山らしい作り方です。
- ばら寿司の具は何を入れればいいですか?
-
農水省に載る岡山市栄養改善協議会のレシピでは、サワラ・イカ・エビ・タコ・モガイ・アナゴ、レンコン・高野豆腐・タケノコ・ゴボウ・フキ・干しシイタケ・卵・サヤエンドウの14種類です。家庭や地域、季節によって具は違い、全部そろえなくてもかまいません。
- ばら寿司の由来は本当ですか?
-
池田光政が出した「一汁一菜」の倹約令に対し、庶民が具をすしに混ぜて一菜にしたのが始まりと言われています。農水省や岡山観光WEBも「言われている」という伝承として紹介しており、倹約令の年や文面は示されていません。
- ばら寿司は前の日に作れますか?
-
具の煮物は前日に作って冷蔵庫に入れておけます。すし飯は当日に炊いて混ぜるのがおすすめです。完成したばら寿司は室温に長く置かず、すぐ食べない分は冷蔵庫で保存しましょう。
- 「ぬくずし」とは何ですか?
-
まつりずしを蒸して温めた食べ方です。「ぬくい」は岡山の方言で「温かい」という意味です。
まとめ|岡山のばら寿司は具を一つずつ味付けして混ぜる
- 岡山のばら寿司(まつりずし)は、酢飯に具を混ぜ込み、上にも飾るハレの日のすし。農水省のレシピでは具が14種類
- サワラを漬けた合わせ酢ですし飯を作るのが岡山流。合わせ酢は砂糖と酢が1対1
- 手順の分量外まで足すと砂糖は大さじ15杯。そのうち11杯は具の味付けで、シイタケの煮物だけで40%
- 由来は池田光政の「一汁一菜」の倹約令にまつわる伝承。文化庁の紹介文には「具材を飯の下に隠して愉しむ」とある
- 岡山市は酢の購入量が52市中8位。支出は48位で、安い酢をたくさん買っている
秋祭りの季節や、お客さんを迎える日に、まずは手に入る具だけで作ってみてください。
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- 同 ままかりずし 岡山県(レシピ提供:井笠栄養改善協議会)
- 同 さわらのこうこずし 岡山県(レシピ提供:東備栄養改善協議会)
- 同 とどめせ 岡山県(レシピ提供:瀬戸内市)
- 同 黒豆入りちらしずし 岡山県(レシピ提供:勝英栄養改善協議会)
- 岡山観光WEB(岡山県観光連盟)「岡山ばらずし」
- 岡山観光WEB「おかやま自慢のご当地グルメ」
- 文化庁「100年フード」岡山県(岡山ばらずし 令和7年度認定)
- 総務省統計局 家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023〜2025年平均)
- 総務省統計局 家計調査年報 付録 収支項目分類表(2025年)
- 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
※具の数・工程数・調味料の合計・砂糖÷酢の比・家計調査の全国比と1リットルあたりの酢の値段は、上記の資料から筆者が計算しました。
イラスト:本文の図はChatGPT(OpenAI)の画像生成で作成した説明用のイメージです。


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