岡山のクマ出没情報2026|市町村別の件数と出会わないための対策

岡山県でも熊の目撃情報がでています、被害にあわないよう注意しましょう

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2026年9月更新岡山県のツキノワグマ出没件数は、2026年度が始まって5か月(4〜8月)で67件になりました。過去15年で最少だった2025年度は1年間で42件でしたから、今年はすでに去年1年分を上回っています。全国的にクマのニュースが続く中、岡山も「今年は少ない年」ではありません。

この記事では、岡山県自然環境課が公表している最新の出没状況をもとに、市町村別の件数、月ごとの傾向、過去15年の推移を整理し、県が公式に案内している「出会わないための対策」「出会ってしまったときの動き方」をまとめました。県北の山や紅葉スポットへ出かける前の確認用にお使いください。

岡山県にも生息するツキノワグマ(草を食べる個体)
岡山県北に生息するのはツキノワグマ。兵庫県西部から鳥取県にまたがる「東中国地域個体群」の一部です/写真: Alpsdake(CC BY-SA 3.0)
67件2026年度の出没件数(4〜8月、岡山県自然環境課)
42件2025年度1年間の件数。過去15年で最少だった
55.9%直近6年の出没に占める美作市の割合
710頭東中国地域個体群の推定生息数(2026年当初)

2026年度の出没件数|8月末で67件、去年1年分をすでに超えた

岡山県自然環境課が公表している「令和8年度ツキノワグマ出没状況(令和8年8月31日現在)」によると、2026年度の出没件数は4月18件、5月12件、6月12件、7月14件、8月11件の合計67件です。内訳は目撃39件、痕跡17件、有害捕獲9件、錯誤捕獲2件で、8月末時点の人身被害は0件でした。

比べる相手を2025年度にすると差がはっきりします。2025年度の同じ期間(4〜8月)は26件、1年間でも42件でした。2026年度は5か月で去年1年分の1.6倍に達しています。2024年度の同期間(60件)と比べても上回っており、件数だけを見れば「多かった年」のペースに戻っています。

月2026年度2025年度2024年度
4月18件1件3件
5月12件6件13件
6月12件5件17件
7月14件9件12件
8月11件5件15件
9月未集計4件15件
10月未集計2件38件
11月未集計0件19件
年度計67件(8月末)42件134件

出典:岡山県自然環境課「令和8年度ツキノワグマ出没状況(令和8年8月31日現在)」。出没件数には目撃・痕跡・捕獲を含みます。

4月の18件は、直近5年で最も多い4月です。冬眠明けの春は体力回復のためにエサを求めて活発に動く時期で、県も「春と秋に出没が増える」と案内しています。2024年度は10月に38件と年間のピークが来ており、これから10〜11月がもう一つの山場になります。

市町村別の出没件数|美作市が半分以上、県北東部に集中

2026年度(8月末まで)の市町村別件数は、美作市30件、津山市10件、鏡野町10件、新見市5件、奈義町4件、勝央町3件、真庭市2件、西粟倉村2件、高梁市1件です。直近6年(2020〜2026年度)の累計で見ても、美作市だけで全体の55.9%を占め、津山市14.6%、奈義町8.9%と続きます。

岡山のクマは兵庫県西部から鳥取県にかけて生息する「東中国地域個体群」に属しており、県境に近い美作市・西粟倉村・奈義町・津山市北部・鏡野町が主な行動圏です。岡山市や倉敷市など県南での出没は、この6年間の県の集計には出てきません。

市町村2026年度(8月末)2025年度2024年度直近6年の割合
美作市30件20件57件55.9%
津山市10件8件35件14.6%
鏡野町10件2件8件4.4%
新見市5件5件5件5.4%
奈義町4件2件13件8.9%
勝央町3件0件1件1.5%
真庭市2件2件7件3.6%
西粟倉村2件2件6件3.5%
高梁市1件0件0件1.1%

出典:岡山県自然環境課、同資料の「市町村別出没件数」。割合は2020〜2026年度の累計に占める比率です。

津山市では2026年6月27日、奥津川の県道450号で親子2頭とみられる足跡が見つかり、市が花火で追い払いを行いました。市内の出没情報はこの時点で2026年度9件目です(KSB瀬戸内海放送、2026年6月29日)。県の集計では8月末までに津山市は10件に増えています。

最新の出没地点はどこで見られる?|県の出没マップの使い方

岡山県は「岡山県ツキノワグマ出没情報」のページで、Googleマップ上に出没地点を落とした出没マップを公開しています。2025年度の出没は紫色のクマのマーク、2026年度の出没は黄色の足跡マークで表示され、更新は随時行われています(2026年9月9日時点で9月8日分まで反映)。

山に入る前日には、このマップで目的地の半径数km以内に直近の出没がないかを確認しておくのが確実です。県境の山へ行く場合は、鳥取県が公開しているクマ出没情報もあわせて確認するよう県が案内しています。出没情報の問い合わせ先は岡山県環境文化部自然環境課(086-226-7309)です。

過去15年の推移|2025年度はなぜ少なく、2026年度はなぜ戻ったのか

岡山県内のツキノワグマ出没件数は、2012年度の56件から増減を繰り返しながら増え、2016年度に237件、2019年度に222件のピークを記録しました。その後は120〜175件で推移していましたが、2025年度は42件まで急減し、県の資料でさかのぼれる範囲で最少になりました。

  • 2012〜2015年度56件→61件→98件→87件。まだ年100件未満の時代
  • 2016年度237件。過去最多。この年からクマの出没が県北の身近な問題になった
  • 2017〜2023年度126件→186件→222件→170件→175件→127件→119件。年120〜220件が「普通」の水準に
  • 2024年度134件。津山市で登山中の男性が腕をかまれる人身被害が発生(KSB)
  • 2025年度42件。10月はわずか2件で、過去10年で最少(山陽新聞)
  • 2026年度8月末で67件。5か月で前年度1年分を超過

2025年度が少なかった理由について県は、クマの秋のエサになるドングリのうち、ミズナラとコナラが豊作で、山に食料が豊富だったため人里に下りる個体が少なかったと説明しています。2024年はブナ・ミズナラ・コナラのいずれも凶作でした(KSB、2025年11月)。つまり出没件数は「クマが減ったかどうか」より「山にエサがあるかどうか」で大きく振れます。

もう一つの背景が生息数です。県が兵庫県・鳥取県と共同で推定している東中国地域個体群の生息数は、2023年度当初の859頭から、2024年度805頭、2025年度763頭、2026年度当初は710頭(95%信用区間515〜954頭)と減っています。安定して存続できる目安の800頭を下回ったため、県は2025年度に続き2026年度も狩猟の自粛をハンターに要請し、捕獲数の上限を56頭(710頭の8%)としています。

生息数は減っているのに出没が増えているのが2026年度の特徴です。県は「出没が減っていても山に入るときは注意が必要」としており、件数の増減にかかわらず対策は同じです。

クマに出会わないためにできること|県が案内する5つの基本

岡山県自然環境課のリーフレット「ツキノワグマの出没にご注意ください」では、次の行動が案内されています。どれも特別な装備は不要で、県北の登山や山菜採り、キャンプで今日から実践できるものです。

1
音を出して人の存在を知らせる鈴を鳴らす、ラジオをつけるなど、音で人がいることをクマに伝えます。クマは耳がよく、人の存在を察知すると自分から遠ざかります。
2
新しい糞や足跡を見つけたら引き返す近くにクマがいる可能性が高いサインです。写真を撮りに近づかず、来た道を戻ります。
3
早朝と夕方を避けるクマが最も活発に動くのは薄暗い時間帯です。紅葉シーズンの早朝登山や夕方の下山は、時間に余裕を持つことがそのまま安全につながります。
4
出発前に出没マップを確認する前述の県の出没マップで、目的地周辺の直近の出没を確認します。出没があった場所には近づかないのが原則です。
5
単独行動を避け、食べ物のにおいを残さない津山市は「里山などクマの生息域に入る場合は単独行動をしない」「野外に食べ残しや容器を放置しない」よう呼びかけています。

もし出会ってしまったら|距離ごとの動き方

県のリーフレットは、クマとの距離と状況によって取るべき行動を分けて案内しています。共通するのは「落ち着くこと」と「背中を見せて走らないこと」の2つです。

状況取るべき行動
遠くにクマを見つけたクマに気づかれないよう、静かにその場を離れます。
クマがこちらに気づいた落ち着いて静かにしていれば、ほとんどの場合クマは立ち去ります。
クマが近づいてきたクマの動きに注意しながら、背中を見せずにゆっくり後退します。大声や投石は刺激になるので避けます。リュックなどを置いて気をそらすと時間が稼げます。
襲われそうになった地面に伏せて頭と首を守る姿勢をとります。中途半端な反撃はかえって危険とされています。

出典:岡山県自然環境課「ツキノワグマの出没にご注意ください」。

走って逃げるのは最も危険です。クマは逃げるものを追う習性があり、時速数十kmで走れます。県の案内でも「背中を見せて走って逃げるのは大変危険」と明記されています。

家や畑にクマを寄せつけないために|柿・栗・ハチミツ・生ごみ

出没の多い地域に住んでいる方や、県北に家や畑を持っている方向けに、県は「家の近くにクマを引き寄せないために」という資料も出しています。ポイントはクマの好物を家の周りに置かないことです。

  • 柿や栗は早めに収穫する。収穫しない実や落ちた実を放置したり、周囲に捨てたりしない。使わない果樹は伐採するか、幹にトタンを巻いて登れないようにする。
  • 不要なハチの巣は除去する。ハチミツはクマの大好物です。
  • コンポストや生ごみのにおいを出さない。においがクマを引き寄せます。
  • 山と接する畑・民家・通学路周辺のやぶを刈る。隠れ場所を減らすとクマが近づきにくくなります。

県は、人里に下りたクマをそのままにしておくと人里に執着し、行動がエスカレートして事故の危険が高まると説明しています。出没を見かけたら市町村役場か県民局へ連絡することが、地域全体の被害予防になります。

全国の状況と岡山の位置づけ

環境省の集計によると、2025年4月から9月までに北海道・九州・沖縄を除く地域で確認されたクマの出没は20,792件で、2025年度にクマに襲われて死亡した人は12人と、過去最多だった2023年度の2倍に増えました(KSB、2025年11月)。東北や北陸で「人里に居着くクマ」が問題になった年です。

岡山県は同じ年度に42件と極端に少なく、全国とは逆の動きでした。しかし2026年度は前述のとおり件数が戻っています。「岡山は少ないから大丈夫」と考えるのではなく、県北の山では毎年同じ対策を続けることが現実的です。

よくある質問

Q. 岡山県でクマが出るのはどのあたりですか?

A. 県北東部の美作市・津山市・奈義町・鏡野町・西粟倉村と、県北西部の新見市・真庭市です。直近6年の出没の55.9%が美作市で、岡山市や倉敷市など県南での出没は県の集計にありません。

Q. 2026年は去年より多いのですか?

A. 多いです。2026年度は4〜8月の5か月で67件で、2025年度1年間の42件をすでに上回っています。4月の18件は直近5年で最多の4月でした。

Q. 岡山のクマは何頭くらいいますか?

A. 岡山・兵庫・鳥取にまたがる東中国地域個体群として、2026年当初で710頭(95%信用区間515〜954頭)と推定されています。800頭を下回ったため、県は狩猟の自粛を要請しています。

Q. クマに出会ったら死んだふりをすればいいですか?

A. 県が案内しているのは「地面に伏せて頭と首を守る姿勢」で、襲われそうになった場合の最後の手段です。それより前の段階では、背中を見せずにゆっくり後退することが基本です。走って逃げるのは最も危険です。

Q. 出没情報はどこで確認できますか?

A. 岡山県自然環境課の「岡山県ツキノワグマ出没情報」ページで、Googleマップ上の出没マップを随時更新しています。県境へ行く場合は鳥取県の出没情報もあわせて確認してください。

Q. 人身被害は起きていますか?

A. 2026年度は8月末時点で人身被害0件です。2024年度には津山市で登山中の男性が腕をかまれ軽傷を負う被害が起きています。

出典・参考:岡山県自然環境課「ツキノワグマの出没にご注意ください」(令和8年度出没状況・推定生息数資料を含む)/岡山県ツキノワグマ出没情報(出没マップ)/環境省「クマ類の出没情報(速報値)」/KSB瀬戸内海放送「全国で被害相次ぐ中…岡山県のクマ出没件数は大幅減」/同「岡山・津山市でツキノワグマの痕跡を発見」

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