2026年9月更新吹屋ふるさと村(岡山県高梁市成羽町吹屋)は、標高550mの山あいに赤い町並みが続く、日本遺産「『ジャパンレッド』発祥の地」の中心地です。江戸中期から赤色顔料のベンガラで栄え、豪商たちが町ぐるみで統一した石州瓦とベンガラ格子の家並みが、今もそのまま残っています。
この記事では、実際に歩いた筆者が、6つの有料施設の入館料と周遊券の損得、所要時間別のモデルコース、ランチとお土産の店、備中高梁駅からのバス時刻、無料のグリーンスローモビリティを公式情報でまとめました。2026年9月18日公開の映画「八つ墓村」で広兼邸が再びロケ地になり、秋のイベントも続きます。

吹屋ふるさと村とは|ベンガラと銅で栄えた「赤い町」
吹屋は、大同2年(807年)に発見されたと伝わる吉岡銅山を背景に、宝永4年(1707年)に全国で初めてベンガラ(弁柄)の生産を始めた町です。ベンガラは銅山から出る硫化鉄鉱をローハ(緑礬)に変え、焼いて赤色顔料にしたもので、九谷焼や伊万里焼、輪島塗の赤として全国に流通しました。
町並みの特徴は、個々の家が豪華さを競うのではなく、旦那衆が相談して石州(島根)から宮大工を招き、町全体を統一されたコンセプトで建てたことにあります。昭和49年(1974年)に岡山県のふるさと村、昭和52年(1977年)に国の重要伝統的建造物群保存地区、令和2年(2020年)6月19日に日本遺産の認定を受けました。銅山は1972年に閉山し、ベンガラの製造も1974年に終わっています。
入館料と周遊券|3か所以上回るなら周遊券が得
吹屋には有料の観光施設が6か所あります。個別料金の合計は2,100円ですが、「吹屋ふるさと村周遊券」は大人1,000円・小人500円で、2025年8月7日から旧吹屋小学校も対象に加わりました。各施設の窓口で買えます。
| 施設 | 個別料金(大人) | 見どころ |
|---|---|---|
| 旧片山家住宅 | 500円(郷土館と共通) | 200年以上ベンガラを製造販売した老舗。国の重要文化財 |
| 郷土館 | 旧片山家と共通 | 片山家の分家。明治12年築で、2階に隠し部屋がある |
| 旧吹屋小学校 | 500円(小中学生250円) | 2012年まで現役だった国内最古級の木造校舎。県指定重要文化財 |
| 広兼邸 | 400円 | 城のような石垣の豪邸。映画「八つ墓村」のロケ地 |
| 笹畝坑道 | 400円 | 銅山の坑道を復元。坑内は年中15度前後。現在は事前予約制 |
| ベンガラ館 | 300円 | 明治期のベンガラ工場を復元。製造工程が分かる |
出典:高梁市吹屋観光協会「観光施設」、高梁市観光協会。笹畝坑道は2025年4月26日から当面の間、入口改修工事のため事前予約制(観光ガイド同行)です。
開館時間は4〜11月が10:00〜17:00、12〜3月が10:00〜16:00。冬期(12〜3月)は郷土館・ベンガラ館・笹畝坑道が土日月祝のみの開館になります。旧片山家住宅、広兼邸、旧吹屋小学校は冬も毎日開館しています。年末年始(12月29日〜1月3日)は全施設休館ですが、町並みの散策は年中できます。
周遊券は3か所以上入れば個別より安くなります。旧片山家住宅(郷土館込み)+旧吹屋小学校+広兼邸だけで1,400円になるので、実質的に「町並みに来たら周遊券」で問題ありません。
所要時間別のモデルコース|2時間・4時間・1日
吹屋は「町並み」「町並みの周辺(ベンガラ館・笹畝坑道)」「広兼邸」の3エリアに分かれ、広兼邸は町並みから約4km離れています。滞在できる時間で回り方が変わります。
見どころ6施設をくわしく

ランチとカフェ、お土産|新しい店が増えている
吹屋には近年、移住者が開いた店が続いています。岡山観光WEB(2025年8月)で紹介された店を中心に、筆者が実際に食べた店を挙げます。
| 店 | 内容 | 営業 |
|---|---|---|
| スープカレーの店つくし | 古民家の人気店。骨付きチキンスープカレー1,200円、辛くないお子さまスープカレー700円。筆者はビーフスープカレーを食べました | 11:00〜売り切れ次第終了、水曜休 |
| サカナカコーヒー | 黄金荘の軒先で不定期営業のコーヒースタンド。ドリップバッグはお土産にも | 不定休 |
| 佐藤紅商店 | 吹屋の唐辛子とゆずを使った「吹屋の紅だるま」の直営店。直営限定の赤ゆずこしょうも | 火水金9:30〜16:30、土日祝10:00〜17:00、月木休 |
| 袖珍舎(しゅうちんしゃ) | 2025年オープンの書店。岡山ゆかりの作家コーナーがあり、バス停から近い | 12:00〜16:00、不定休 |
| 艸(くさ) | 2025年オープン。倉敷のい草かごとわら細工の工房兼店舗 | 11:00〜16:00、不定休 |
出典:岡山観光WEB「公共交通で行く吹屋ふるさと村」(2025年8月27日掲載)。営業日は変わることがあるので各店のInstagramで確認してください。
町並みには団子や甘味を出す店、ベンガラ染めのスカーフや帽子、ベンガラ和紙、ベンガラ色のマスキングテープを扱う土産店もあります。

アクセス|備中高梁駅からバス1時間、車は賀陽ICから50分
車:岡山自動車道の賀陽ICから約50分。駐車場は「下町観光駐車場」で普通車80〜85台、大型バス5台が停められ、無料です。山道が続くので冬は路面の凍結に注意してください。
公共交通:JR伯備線の備中高梁駅1階にある高梁バスセンターから、備北バスの吹屋行きに乗って約1時間、運賃は大人800円・小学生400円です。本数が少ないため、観光には往路10:55発→11:53吹屋着、復路15:42吹屋発→16:40高梁バスセンター着の組み合わせが定番で、滞在時間は約4時間になります(岡山観光WEB、2025年8月時点。最新の時刻は高梁市の備北バス時刻表で確認してください)。岡山駅から備中高梁駅までは伯備線で約1時間、特急やくもなら約35分です。
グリーンスローモビリティ(グリスロ):2026年は3月20日から、主に土日祝に運行。町並みを周遊する「観光周遊コース」と、下町駐車場から広兼邸まで(片道約4km・約10分)の「町並み・広兼邸ルート」があり、乗車無料です。2025年度は下町駐車場発11:00〜15:00の毎時0分でした。車がない人が広兼邸へ行く現実的な手段です。
2026年秋のイベントと「八つ墓村」
- 9月18日〜映画「八つ墓村」公開。広兼邸が田治見家として登場
- 9月20日吹屋ベンガラ灯り。町並みを灯りで照らす秋の恒例行事
- 9月1日〜12月31日吹屋さんぽスナップ(フォトコンテスト)
- 10月3日〜11月1日吹屋アート展
出典:高梁市吹屋観光協会、岡山観光WEB。11月には過去に「空から吹屋」(高所作業車から町並みを見下ろす企画)や吹屋観光感謝デーが行われています。
よくある質問
Q. 吹屋ふるさと村の所要時間はどれくらいですか?
A. 町並みと旧吹屋小学校だけなら2時間、ランチと店めぐりを入れて4時間、広兼邸や笹畝坑道まで回るなら半日から1日が目安です。バスで来る場合の滞在時間は約4時間になります。
Q. 入場料はかかりますか?
A. 町並みの散策は無料です。旧片山家住宅・郷土館、旧吹屋小学校、広兼邸、笹畝坑道、ベンガラ館の見学は有料で、6施設共通の周遊券が大人1,000円・小人500円です。
Q. 車がなくても行けますか?
A. 行けます。JR備中高梁駅から備北バスで約1時間(800円)です。ただし本数が少ないので、10:55発で行き15:42発で帰るのが標準です。土日祝なら無料のグリーンスローモビリティで広兼邸まで行けます。
Q. 冬でも見学できますか?
A. 旧片山家住宅、広兼邸、旧吹屋小学校は冬も毎日開館(10:00〜16:00)です。郷土館、ベンガラ館、笹畝坑道は12〜3月は土日月祝のみです。年末年始は全施設休館ですが、町並みは歩けます。
Q. 八つ墓村のロケ地はどこですか?
A. 広兼邸です。1977年、1996年、そして2026年9月18日公開の映画でも田治見家として使われました。町並みから約4km離れており、車かグリスロで行きます。
Q. 備中松山城と一緒に回れますか?
A. 回れます。岡山観光WEBも「備中松山城と吹屋を訪ねる1日コース」を紹介しており、車なら午前に城、午後に吹屋が定番です。公共交通の場合はバスの本数が少ないので、どちらかに絞るほうが無理がありません。
出典・参考:高梁市吹屋観光協会(公式)/高梁市観光協会「吹屋ふるさと村」/岡山観光WEB「吹屋ふるさと村」/同「公共交通で行く『吹屋ふるさと村』」/高梁市「旧吹屋小学校」

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