岡山県立図書館(岡山市北区丸の内)が、スマートフォンやパソコンで本を借りられる電子書籍サービス(電子図書館)を始めます。山陽新聞は2026年9月25日、県立図書館が導入の方針を決め、年内のサービス開始をめざしていると報じました(山陽新聞デジタル)。県の2026年度当初予算には、電子書籍サービスの導入費をふくむ「読書バリアフリー推進事業」11,266千円が新しく盛り込まれています。
ひと足先に、岡山市立図書館は10月21日(水)10時から電子書籍サービスを始めます。電子出版制作・流通協議会(電流協)の集計では、10月1日時点で岡山県内の導入は津山エリアの1市5町だけ。岡山市は、全国20の政令指定都市で唯一の未導入でした。県立と岡山市の開始時期・使い方と、県内・全国の導入状況を一次資料から集計しました(2026年10月18日時点)。
ちばける県立図書館の開始日・借りられる冊数・対象者は、10月18日時点でまだ発表されていません。わかっていることと、まだのことを分けて書いています。
- 岡山県立図書館の電子書籍は「年内開始が目標」(報道)。開始日・冊数・対象者は未発表
- 県の予算は読書バリアフリー推進事業11,266千円(電子書籍サービス導入と読書サポート機器)
- 岡山市立図書館は10月21日10時開始。1回2冊・2週間、開始時1,000点程度
- 県内の導入は10月1日時点で27市町村のうち6(つやまエリアの1市5町)。使える人口は県民の7.5%
- 岡山市が加わると県民の46.6%が使えるように。倉敷市など20市町村は未導入
- 都道府県立図書館の導入は47都道府県中34。岡山は未導入の13府県のひとつ
岡山県立図書館の電子書籍はいつから?|わかっていること・未発表のこと
県立図書館のお知らせ一覧(2026年10月18日確認)には、電子書籍サービスの告知はまだ出ていません。県の予算資料・図書館の計画・図書館協議会の議事録と報道から、いま確認できることを整理しました。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 開始時期 | 年内のサービス開始をめざす(報道)。公式の開始日は未発表 | 山陽新聞 9月25日 |
| 利用できる時間 | 24時間365日(報道) | 山陽新聞 9月25日 |
| 予算 | 読書バリアフリー推進事業 11,266千円(2026年度・新規)。「視覚障害等のある人の読書を支援するための電子書籍サービス導入、読書サポート機器の整備」 | 県 当初予算 教育委員会 |
| 計画上の位置づけ | 第5次中期サービス目標(2026〜2030年度)のロードマップで、2026年に「電子書籍の導入」 | 県立図書館 第5次中期サービス目標 |
| その後の予算 | 「2年、3年ぐらいはこのまま予算要求していき、その後は実際の利用実績などを加味して」継続的に要求(事務局の説明) | 県立図書館協議会 2026年2月26日 |
| 利用できる人 | 未発表。紙の本を借りる利用者カードは「岡山県内に在住・在勤・在学の方」が対象 | 県立図書館 利用案内 |
| 冊数・貸出期間 | 未発表(紙の本は図書・雑誌10冊以内・15日間) | 県立図書館 利用案内 |
| サービス名・事業者 | 未発表 | — |
- 予算の名前は「読書バリアフリー推進事業」。文字の拡大や音声読み上げができる電子書籍で、視覚障害などで紙の本を読みにくい人の読書を支える、という位置づけです。図書や視聴覚資料を買う資料整備費(65,000千円)とは別に立てられています
- 第5次中期サービス目標には「電子書籍サービスの導入に向けて、収集基準の見直しなど具体的方策に取り組みます」と書かれています。紙の本と電子書籍で、何を集めるかの基準を分けて考える段階です
- 同じ計画には「県立図書館のデータベースサービスや電子書籍サービスについて、市町村立図書館でも利用できるよう、共同利用に関する研究を進めます」ともあります。電子図書館のない市町村の住民がどう使えるかは、今後の焦点です
- 2026年2月の図書館協議会では、委員から「電子書籍は毎年コンテンツを追加していかないと新鮮度が下がる」と運用費を心配する声が出ていました(議事録)
- いまの県立図書館では、データベースや一部の電子図書は館内のアクセスコーナーでのみ使えます(1回2時間まで、アクセスコーナー)。家から借りられるようになるのが今回の変化です
利用者カードは、スマートフォンでログインするとバーコードが出る「デジタル利用者カード」にも対応しています(県立図書館)。電子書籍が始まったときにすぐ使えるよう、まだカードがない人は先に作っておくと安心です。
岡山市立図書館の電子書籍サービスは10月21日10時から
岡山市立図書館は、設立110周年を機に電子書籍サービスを始めます(岡山市 広報連絡資料 9月30日・岡山市立図書館)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始 | 2026年10月21日(水)10時 |
| サイト | 岡山市立図書館 電子書籍サービス |
| 利用できる人 | 岡山市内に在住・通勤・通学していて、市立図書館の利用者カードを持っている人(連携中枢都市圏の相互利用は対象外) |
| ログイン | 利用者カード番号(ID)と初期パスワード |
| 貸出冊数 | 一度に2冊まで(「読み放題」の本は冊数に関係なく読める) |
| 貸出期間 | 2週間。延長はできない |
| 返却 | サイトの「返却」ボタン。2週間たつと自動で返却 |
| 冊数 | 開始時は1,000点程度。順次追加 |
| 本の種類 | 児童書、文芸書、実用書、岡山ゆかりの本など。児童・生徒向けの「読み放題パック」も |
| 機能 | 文字の拡大、音声読み上げ、しおり、本文検索、メモ |
- 貸出中の電子書籍は、返却されるまでほかの人は読めません。電子でも1冊を1人ずつ順番に借りるしくみです(読み放題の本をのぞく)
- 市立学校の児童・生徒は、学校の学習者用端末からクラス全員で同時に読める電子書籍も使えます
- 事業者は企画競争(提案2者)で図書館流通センターに決まりました(2026年6月24日決定・岡山市)
- 市の2026年度予算書には、2030年度までの「電子図書館構築・運用保守業務委託」の債務負担行為(限度額9,048千円)が計上されています(岡山市 予算書)。予算要求の段階では関係経費1,800万円・蔵書約3,000冊と報じられていました(KSB 1月16日)
岡山市の電子書籍を借りる手順
市立図書館の利用者カードがない人は、図書館の窓口で作ります。市内に住んでいる人のほか、市内に通勤・通学している人も作れます。
一度に2冊まで。スマートフォン・タブレット・パソコンのブラウザで読めます。文字の大きさを変えたり、読み上げたりできる本もあります。
サイトの「返却」ボタンを押せば、次の人が借りられます。押し忘れても2週間で自動的に返却されます。
岡山県内の電子図書館一覧|導入は27市町村のうち6だけ
電流協が10月13日に公表した「電子図書館(電子書籍サービス)導入図書館」の自治体別資料(2026年10月1日現在)から、岡山県内の分を抜き出し、各図書館の利用案内で中身を確かめました(電流協)。
| 電子図書館 | 使える人 | 冊数・期間 | 開始 |
|---|---|---|---|
| つやまエリアデジタルライブラリー 津山市・鏡野町・勝央町・奈義町・久米南町・美咲町 | 6市町に在住・在勤・在学で、いずれかの貸出券を持つ人 | 3タイトル・2週間(延長1回・予約3点) | 2024年7月 |
| 岡山市立図書館 電子書籍サービス | 市内に在住・通勤・通学で利用者カードを持つ人 | 2冊・2週間(延長なし) | 2026年10月21日 |
| 岡山県立図書館 | 未発表 | 未発表 | 年内目標(報道) |
| おうちデジタルライブラリー(うちデジ) 高梁市・吉備中央町・美咲町 | 3市町に在住・在勤・在学 | — | 2024年7月〜2025年2月末で試験運用終了(カレントアウェアネス) |
- 10月1日時点の岡山県の導入は6自治体/28(県をふくむ)=21.4%で、47都道府県中28位。6つはすべて津山圏域定住自立圏の共同運営で、サービスはOverDrive(スマホアプリ「Libby」でも読める)です
- つやまエリアの6市町の人口は合わせて134,724人、県民の7.5%(令和7年国勢調査)。県民の9割以上は、住んでいる市町村で電子書籍を借りられない状態でした
- 岡山市(707,387人)が加わると、使える人口は842,111人・県民の46.6%に。導入率は25.0%(全国26位相当)に上がります
- 県内2位の人口の倉敷市(461,848人)をふくむ20市町村(965,049人)は未導入です:倉敷市・玉野市・笠岡市・井原市・総社市・高梁市・新見市・備前市・瀬戸内市・赤磐市・真庭市・美作市・浅口市・和気町・早島町・里庄町・矢掛町・新庄村・西粟倉村・吉備中央町
- 高梁市・吉備中央町・美咲町は2024年7月から子育て支援の一環で「うちデジ」を試験運用しましたが、2025年2月末で終わりました。美咲町はつやまエリアで引き続き使えます
- 2021年には岡山県教育委員会が、県内の中学生(岡山市立をのぞく)向けに電子図書館「おもしろe読書事典」を開設しました(カレントアウェアネス)。これは学校向けで、図書館の電子書籍サービスとは別のものです
電流協の過去の資料では、岡山県の導入数は2021年10月・2022年10月・2024年1月の時点でいずれも0でした(2020年10月時点では「導入がない府県は12府県」のひとつ、電流協 2020年)。県内で電子書籍が借りられるようになったのは、つやまエリアが始まった2024年7月からです。
全国では?|都道府県立は34が導入、未導入は岡山など13府県
電流協の集計(2026年10月1日現在)で、電子図書館を導入している自治体は全国625(電子図書館502)。都道府県では47のうち34(72.3%)が導入しています(電流協 10月13日発表・資料1)。
まだ導入していない13府県:岩手県・宮城県・秋田県・福島県・茨城県・栃木県・埼玉県・石川県・滋賀県・大阪府・島根県・岡山県・香川県(秋田県は2012年に始めて中止)
中国・四国9県の県立図書館
| 県 | 県立図書館の電子書籍 | サービス | 県内の導入自治体 |
|---|---|---|---|
| 鳥取県 | 2024年1月〜 | KinoDen | 2/20(10.0%) |
| 島根県 | 未導入 | — | 3/20(15.0%) |
| 岡山県 | 年内目標(報道) | — | 6/28(21.4%) |
| 広島県 | 2020年7月〜 | LibrariE&TRC-DL・Maruzen eBook Library | 11/24(45.8%) |
| 山口県 | 2021年10月〜 | KinoDen | 11/20(55.0%) |
| 徳島県 | 2018年4月〜 | KinoDen | 4/25(16.0%) |
| 香川県 | 未導入 | — | 5/18(27.8%) |
| 愛媛県 | 2024年10月〜 | KinoDen | 8/21(38.1%) |
| 高知県 | 2017年10月〜 | LibrariE&TRC-DL・KinoDen | 2/35(5.7%) |
- 中国・四国で県立図書館が未導入なのは岡山・島根・香川の3県だけです。鳥取(2024年1月)・愛媛(2024年10月)がここ数年で始めました
- 全国の県立図書館の電子書籍は、34都道府県のうち29が紀伊國屋書店の「KinoDen」を使っています(単独または併用)。岡山市と同じ図書館流通センター(TRC)のサービスを使っているのは、東京・山梨・広島・高知・福岡の5都県です
- 2024年以降に始めた都道府県は11(山形県・千葉県・福井県・三重県・奈良県・和歌山県・鳥取県・愛媛県・熊本県・宮崎県・鹿児島県)。2023年10月時点の23都道府県から、3年で34に増えました
- 政令指定都市は20市のうち19市が導入済みで、電流協の資料に「(岡山市未導入)」と注記されていました。10月21日で20市すべてがそろいます
全国の電子図書館の数の推移
| 時点 | 導入自治体 | 電子図書館の数 |
|---|---|---|
| 2014年1月 | 19 | 19 |
| 2016年1月 | 35 | 35 |
| 2018年1月 | 64 | 61 |
| 2020年1月 | 90 | 87 |
| 2021年1月 | 141 | 135 |
| 2022年1月 | 270 | 261 |
| 2023年1月 | 461 | 366 |
| 2024年1月 | 538 | 422 |
| 2025年1月 | 585 | 458 |
| 2026年1月 | 611 | 491 |
| 2026年10月 | 625 | 502 |
コロナ禍で来館できない時期が続いた2020年1月(90自治体)から2023年1月(461自治体)の3年で371増と急増し、その後は増え方がゆるやかになっています。各年1月1日時点(2026年10月のみ10月1日)、電流協 資料1。
図書館の電子書籍で何ができる?紙の本との違い
- 来館せずに24時間借りられる:深夜・早朝でも、自宅や外出先からスマホで借りて読めます
- 返し忘れがない:期限が来ると自動で返却されます(岡山市・つやまエリアとも2週間)
- 文字の拡大・音声読み上げ:老眼や視覚障害、読字に困難がある人も読みやすくなります。県の予算名が「読書バリアフリー」なのはこのためです
- 1冊を同時に借りられる人数には限りがある:多くの本は紙と同じく1人ずつ順番。人気の本は予約待ちになります
- 紙の本がすべて電子で読めるわけではない:読めるのは図書館が電子書籍として契約した本だけです(岡山市は開始時1,000点程度)
- 料金は無料:通信料は自分持ちです
県立図書館と岡山市立図書館の場所・開館時間・駐車場、自習できるかどうかは、こちらの記事にまとめています。


岡山の図書館の電子書籍でよくある質問
- 岡山県立図書館の電子書籍はいつから使えますか?
-
2026年10月18日時点で公式の開始日は発表されていません。山陽新聞は2026年9月25日、県立図書館が年内のサービス開始をめざしていると報じました。県の2026年度当初予算には、電子書籍サービス導入をふくむ読書バリアフリー推進事業11,266千円が計上されています。
- 岡山市立図書館の電子書籍はいつからですか?
-
2026年10月21日(水)10時から始まります。岡山市内に住んでいるか、通勤・通学していて、市立図書館の利用者カードを持っている人が使えます。
- 岡山市の電子書籍は何冊まで、何日借りられますか?
-
一度に2冊まで、貸出期間は2週間で延長はできません。2週間たつと自動で返却されます。「読み放題」の本は冊数に関係なく読めます。
- 倉敷市に住んでいますが、岡山市の電子書籍は使えますか?
-
岡山市内に通勤・通学していれば使えます。連携中枢都市圏の相互利用で岡山市のカードを持っている人は、電子書籍サービスの対象外です。電流協の集計では、倉敷市は10月1日時点で電子図書館を導入していません。
- 岡山県内で電子書籍を借りられる図書館はどこですか?
-
10月1日時点では、津山市・鏡野町・勝央町・奈義町・久米南町・美咲町の「つやまエリアデジタルライブラリー」だけです。10月21日から岡山市立図書館が加わり、県立図書館も年内の開始をめざしています。
- 県立図書館の電子書籍は県外の人も使えますか?
-
対象者はまだ発表されていません。県立図書館の利用者カードは、紙の本の貸出では岡山県内に在住・在勤・在学の人が対象です。
- 図書館の電子書籍にお金はかかりますか?
-
利用は無料です。スマートフォンやパソコンの通信料は自己負担になります。
まとめ
- 岡山県立図書館の電子書籍は年内開始が目標(報道)。予算は読書バリアフリー推進事業11,266千円。開始日・冊数・対象者は未発表
- 岡山市立図書館は10月21日10時から。市内在住・通勤・通学の人が、1回2冊・2週間借りられる
- 県内の導入は10月1日時点で27市町村のうち6(つやまエリア)。岡山市が加わると県民の46.6%が使えるように
- 都道府県立図書館は47のうち34が導入済み。中国・四国の未導入は岡山・島根・香川だけ
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- 岡山県 令和8年度(2026年度)予算
- 岡山県立図書館 第5次中期サービス目標(令和8年3月)
- 岡山県立図書館協議会 議事録(令和8年2月26日)
- 岡山県立図書館 利用案内
- 岡山県立図書館 デジタル利用者カード
- 岡山県立図書館 アクセスコーナー
- 岡山市 広報連絡資料「岡山市立図書館 電子書籍サービスを開始します」(2026年9月30日)
- 岡山市立図書館「【予告】電子書籍サービス、はじまります。」
- 岡山市 電子書籍システム構築・運用保守業務委託に係る企画競争の結果
- 岡山市 令和8年度予算書
- 津山市立図書館 つやまエリアデジタルライブラリー利用案内
- カレントアウェアネス・ポータル「つやまエリアデジタルライブラリー」が運用開始
- カレントアウェアネス・ポータル 高梁市・吉備中央町・美咲町「うちデジ」試験運用
- カレントアウェアネス・ポータル 岡山県教育委員会「おもしろe読書事典」
- 電子出版制作・流通協議会 電子図書館(電子書籍サービス)導入図書館
- 同 資料1 集計(2026年10月1日)
- 同 資料2 自治体別導入館
- 同 資料3 都道府県別集計
- 同 プレスリリース(2026年10月13日)
- 同 プレスリリース(2020年10月1日現在)
- 山陽新聞デジタル(2026年9月25日)
- KSB瀬戸内海放送(2026年1月16日)
- KSB瀬戸内海放送(2026年10月1日)
- アイキャッチ写真:Asturio Cantabrio「Okayama Prefectural Library 2021-08 ac.jpg」CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
※人口は令和7年国勢調査(2025年10月1日)。導入率の分母は県をふくむ28自治体(電流協の集計方法)。


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