実家が空き家で困ったら|岡山県27市町村の空き家解体補助金一覧2026

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親が亡くなったり施設に入ったりして、岡山の実家が空き家のままになっていませんか。「屋根が傷んできた」「台風のたびに近所から連絡が来る」「解体したいけれど費用がいくらかかるのか、補助金は使えるのか分からない」――そんなお悩みを、この記事1本で解決できるようにまとめました。

岡山県の27市町村のうち26市町村に、古くて危ない空き家の解体(除却)費用を補助する制度があります。県の「県内空き家相談窓口及び補助制度等一覧(令和8年9月時点)」をもとに、各市町村の公式ページ・要綱で2026年度の内容を確認し、補助率・上限額・対象になる空き家・業者の条件・今年度の締切を1つの表にしました。さらに、木造30坪(延べ100㎡)の家を解体したときの自己負担額を27市町村すべてで計算しています(2026年11月1日時点)。

結論:まずやること(2026年11月1日時点)
  • 解体業者と契約する前に、市町村の空き家窓口へ事前相談する。契約・着工したあとの申請は、公式ページで確認できた市町村はどこも補助の対象外です
  • 補助の対象は多くが「特定空家等(倒壊などの危険がある空き家)またはそのおそれ」と市町村が判定したもの。古いだけでは対象外のことがあります
  • 補助は解体費の1/3〜1/2、上限は50万円が21市町村で最多。木造30坪・解体費200万円なら、多くの市町村で自己負担は150万円前後です
  • 今年度の受付は11月末〜12月末に締め切る市町村が多い(瀬戸内市・勝央町は11月末、倉敷市は12月28日)。予算がなくなれば期間中でも終了します
  • 解体の前に、相続登記(2024年4月から義務)・固定資産税の住宅用地特例・3,000万円特別控除の3つを確認しておくと損をしません
ちばける

「うちの市町村はいくら出るの?」は一覧表で、「結局いくら払うの?」はモデル計算の表で、すぐ分かるようにしました。締切が近い市町村もあるので、まずは窓口に電話してみてください。

目次

空き家の解体補助を使う手順(7ステップ)

市町村によって細かな違いはありますが、どこも次の順番で進みます。いちばん大事なのは「交付決定の前に契約・着工しない」ことです。

STEP
名義と相続人を確認する

登記簿(登記事項証明書)で建物と土地の名義を確認します。亡くなった親の名義のままなら、申請できるのは所有者・相続人、またはその承諾を得た人です。共有の場合は全員の同意が必要な市町村が多くあります。

STEP
市町村の空き家窓口に事前相談する

下の一覧表の市町村名から公式ページに進めます。事前相談票や予約が必要な市町村もあります(岡山市・勝央町は予約制、浅口市・里庄町は事前相談票を提出)。

STEP
市町村が現地調査・判定する

職員が現地を見て、特定空家等や老朽危険空き家に当たるか判定します。美作市は点数で判定し、100点以上なら上限300万円、100点未満は上限50万円です。

STEP
解体業者の見積りを取る

多くの市町村は「市内(町内)に事業所がある業者」が条件です。建設業許可(解体・建築・土木)か解体工事業の登録を受けた業者に依頼します。西粟倉村は3社以上(うち2社以上は村内)の見積りが必要です。

STEP
交付申請をして、交付決定を待つ

申請書・登記事項証明書・見積書・現況写真・納税証明などを出します。事前相談から交付決定まで1〜2か月かかることがあります(美作市のよくある質問)。奈義町は着工予定日の1か月前までに申請します。

STEP
交付決定のあとに契約・解体工事

交付決定通知が届いてから業者と契約し、工事を始めます。建物は全部撤去が条件で、一部だけ壊す工事は対象外の市町村がほとんどです。

STEP
実績報告をして補助金を受け取る

工事後、契約書・領収書・工事写真・マニフェスト(産業廃棄物管理票)などで報告します。多くの市町村は年度末の2月末が期限です。岡山市・津山市は補助金を業者に直接払う代理受領も使えます。

岡山県27市町村の空き家解体補助金一覧(2026年度)

岡山県建築指導課の「県内空き家相談窓口及び補助制度等一覧(令和8年9月時点)」の補助率・上限額に、各市町村の公式ページ・要綱で確認した対象や業者の条件、今年度の受付期間を加えました。市町村名から公式ページに進めます(「県の一覧」と書いた8市町村は、市町村の公式ページで個別の案内を見つけられなかったため、県の一覧PDFにリンクしています)。

市町村補助率上限額主な対象業者の条件今年度の受付確認元
岡山市1/360万円特定空家等(勧告を受けたものを除く)市内業者2026年5月1日〜12月18日公式
倉敷市1/250万円特定空家等と市が認定、またはそのおそれ市内に本社・本店の業者2026年4月20日〜12月28日公式
津山市1/350万円特定空家等または危険空家市内業者受付期間は公式で確認できず公式
玉野市1/350万円市が倒壊等の危険を判定・おおむね1年以上未使用市内業者2026年12月18日まで公式
笠岡市1/250万円(島しょ部は+20万円)市が特定空家等と認定(勧告を受けたものを除く)市内業者2026年12月25日まで公式
井原市1/250万円老朽・破損で危険性が高く周囲への影響が大きいもの市内業者予算到達まで(2月末までに完了)公式
総社市-なし(固定資産税の減免)(解体費の補助はなし)解体後の土地の固定資産税等を最大3年間減免-2031年1月1日までの解体が対象公式
高梁市1/350万円住宅の不良度判定と周辺への危険度判定の基準を満たすもの市内業者申請年度の2月末までに完了公式
新見市1/350万円特定空家またはそれになり得るもの市内業者受付期間は公式で確認できず公式
備前市1/350万円特定空家またはなり得るもの・1981年5月31日以前着工・おおむね1年以上未使用市内業者2026年4月27日〜12月25日公式
瀬戸内市1/350万円特定空家等またはその可能性が高いもの市内業者毎年4月〜11月末公式
赤磐市1/350万円公式ページで確認できず公式で確認できず公式で確認できず県の一覧
真庭市1/350万円特定空家、または市の耐震診断で倒壊の危険ありと判定・おおむね1年以上未使用市内業者2026年4月1日〜12月10日公式
美作市1/250万円(特定空家は300万円)市の危険度判定で対象(100点以上は特定空家として上限300万円)・1年以上未使用市内業者受付期間は公式で確認できず公式
浅口市1/250万円特定空家等またはなり得るもの・おおむね1年以上未使用市外の業者も可(一定の要件)事前相談 2026年5月11日〜12月4日公式
和気町1/250万円公式ページで確認できず公式で確認できず公式で確認できず県の一覧
早島町1/250万円公式ページで確認できず公式で確認できず公式で確認できず県の一覧
里庄町1/260万円特定空家等またはなり得るもの条件の記載なし(許可・登録業者)事前相談 2026年5月18日〜(予算到達まで)公式
矢掛町1/250万円特定空家等(町の補助金一覧・2025年4月時点)公式で確認できず公式で確認できず県の一覧
新庄村1/250万円(一部区域100万円)公式ページで確認できず(一部区域は上限100万円)公式で確認できず公式で確認できず県の一覧
鏡野町1/250万円空家法の空家等で要綱の要件を満たすもの町の対象業者リストあり受付期間は公式で確認できず公式
勝央町1/250万円(町内業者なら+10万円)危険な状態またはなり得るもの・1981年5月31日以前建築・おおむね1年以上未使用許可・登録業者(町内業者なら10万円加算)毎年度4月〜11月末公式
奈義町1/2150万円(町外業者100万円)空家または特定空家(危険度の条件なし)町内業者150万円・町外業者100万円着工予定日の1か月前までに申請公式
西粟倉村1/2150万円村が危険度を判定した老朽危険空き家見積り3社以上(うち2社以上は村内業者)受付期間は公式で確認できず公式
久米南町2/550万円公式ページで確認できず公式で確認できず公式で確認できず県の一覧
美咲町1/2150万円公式ページで確認できず公式で確認できず公式で確認できず県の一覧
吉備中央町1/350万円公式ページで確認できず公式で確認できず公式で確認できず県の一覧

※表は横にスクロールできます。補助率は解体工事費(門扉・塀・立木の撤去を含む市町村あり)に対する割合で、千円未満は切り捨て。「確認元」が「県の一覧」の市町村は、補助率・上限額のみ県の一覧(令和8年9月時点)で確認したもので、対象や受付期間は各役場で確認してください。所得による制限を設けている市町村は、確認できた範囲ではありませんでした。

  • 解体費の補助がある:26市町村。ない総社市は、解体後の土地の固定資産税等を最大3年間、解体前の水準まで減免する独自の制度(2031年1月1日までの解体が対象に延長)です
  • 補助率:1/2が15市町村、1/3が10市町村、2/5が久米南町
  • 上限額:50万円が21市町村、60万円が岡山市・里庄町、150万円が奈義町(町内業者)・西粟倉村・美咲町。美作市は特定空家(危険度100点以上)なら300万円
  • 1981年(昭和56年)5月31日以前の建物に限るのは備前市・勝央町。ほかは建築年の条件を書いていません
  • 市外・町外の業者でも対象になるのは浅口市(一定の要件)・勝央町(町内業者なら10万円加算)・奈義町(町外は上限100万円)など。多くは市内(町内)業者が条件です

一覧表とは別の上乗せメニュー

  • 岡山市〔地域活性化〕:跡地を10年以上、町内会などが地域の活性化に使う場合は4/5・上限200万円(岡山市公式)
  • 高梁市〔空き家解体・土地流通促進〕:解体後の土地を住宅用地として不動産業者と媒介契約するか第三者に売る場合、1/3・上限70万円(居住誘導区域は+30万円)。危険な空き家でなくても、おおむね1年以上住んでいない住宅が対象です(高梁市公式)
  • 笠岡市:島しょ部は海上輸送費の1/2(上限20万円)を加算。県の一覧には笠岡駅前の除却(3/4・上限200万円)も載っています
  • 里庄町:特定空家等を解体した跡地の固定資産税を、翌年度から最大2年間減免(里庄町公式)

木造30坪を解体したら自己負担はいくら?27市町村のモデル計算

解体費は建物の構造・広さ・道路の幅・アスベストの有無などで大きく変わり、公的な「相場」はありません。そこで木造2階建て・延べ100㎡(約30坪)の解体費を200万円(1㎡あたり2万円と置いた見積り例)として、各市町村の補助額と自己負担を計算しました。あわせて、解体費が100万円・300万円の場合の補助額も並べています。

参考として、国が補助金の算定に使う「標準建設費等」(令和8年4月7日 国土交通事務次官通知)では、木造の除却工事費の上限を1㎡あたり36,000円としています。延べ100㎡なら360万円です。この上限は令和4年度の28,000円、令和7年度の33,000円から引き上げられ、4年で28.6%上がりました。高梁市・西粟倉村は、この国の単価を補助額の計算に使っています。

市町村補助率・上限補助額(解体費200万円)自己負担(200万円)補助額(100万円)補助額(300万円)
奈義町1/2・150万円100万円100万円50万円150万円
西粟倉村1/2・150万円100万円100万円50万円150万円
美咲町1/2・150万円100万円100万円50万円150万円
岡山市1/3・60万円60万円140万円33.3万円60万円
里庄町1/2・60万円60万円140万円50万円60万円
勝央町1/2・50万円60万円140万円60万円60万円
倉敷市1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
津山市1/3・50万円50万円150万円33.3万円50万円
玉野市1/3・50万円50万円150万円33.3万円50万円
笠岡市1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
井原市1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
高梁市1/3・50万円50万円150万円33.3万円50万円
新見市1/3・50万円50万円150万円33.3万円50万円
備前市1/3・50万円50万円150万円33.3万円50万円
瀬戸内市1/3・50万円50万円150万円33.3万円50万円
赤磐市1/3・50万円50万円150万円33.3万円50万円
真庭市1/3・50万円50万円150万円33.3万円50万円
美作市1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
浅口市1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
和気町1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
早島町1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
矢掛町1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
新庄村1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
鏡野町1/2・50万円50万円150万円50万円50万円
久米南町2/5・50万円50万円150万円40万円50万円
吉備中央町1/3・50万円50万円150万円33.3万円50万円
総社市-・-0円200万円0円0円

※補助額は「解体費×補助率(千円未満切り捨て)」と上限額の小さいほう。勝央町は町内業者の10万円加算、奈義町は町内業者の上限150万円、美作市は一般空家(上限50万円)で計算。美作市の特定空家(上限300万円)なら解体費200万円で100万円、300万円で150万円です。西粟倉村の上限は、国の単価×延べ面積×1/2(100㎡なら180万円)が150万円を下回る場合はその額になります。総社市は解体費の補助がないため0円(固定資産税の減免あり)。家財の処分費・整地の追加費用は含みません。

  • 解体費200万円だと、20市町村は補助50万円で自己負担150万円。上限50万円の市町村では、1/3型は解体費150万円、1/2型は100万円で上限に届くため、それ以上かかる家ではどちらも同じ50万円になります
  • 差が出るのは解体費が安いとき。解体費100万円なら1/2型は50万円、1/3型は33.3万円で、16.7万円の差です
  • 補助額が最も大きいのは奈義町・西粟倉村・美咲町(200万円で100万円)。解体費300万円なら150万円まで出ます
  • 岡山市(1/3・上限60万円)・里庄町(1/2・上限60万円)・勝央町(町内業者で50万円+10万円)は60万円

今年度の締切カレンダー|11月末に締め切る市町村も

2026年11月1日時点で、公式ページに今年度の受付期限を書いている市町村を、締切の早い順に並べました。どこも予算がなくなれば期間中でも受付終了です。

市町村締切(2026年)11月1日からメモ
瀬戸内市11月30日あと29日1月末までに工事完了
勝央町11月30日あと29日2月末までに完了・報告
浅口市12月4日あと33日事前相談の期限。予算は10件分(1件50万円の場合)
真庭市12月10日あと39日2月末までに実績報告(1月中の完了が目安)
岡山市12月18日あと47日2027年2月12日までに実績報告
玉野市12月18日あと47日2027年1月末までに実績報告
笠岡市12月25日あと54日予算上限で終了
備前市12月25日あと54日予算に対する申請額は73%(10月21日現在)
倉敷市12月28日あと57日2027年2月28日までに実績報告

※井原市・高梁市・里庄町などは「予算に達し次第終了」「年度の2月末までに完了」とだけ書いており、受付の締切日は示していません。津山市・新見市・美作市・鏡野町・西粟倉村と、県の一覧で確認した8町村は、受付期間を公式ページで確認できませんでした。今年度に間に合わない場合も、来年度(4〜5月の受付開始)に向けて今から事前相談しておくと、判定や見積りを早めに済ませられます。

空き家率と並べて見る|傷んだ木造の空き家は県内1万6,700戸

総務省の令和5年住宅・土地統計調査(第34-2表)で、賃貸用・売却用・別荘などを除いた「使う予定の決まっていない空き家」のうち、腐朽・破損がある木造の一戸建てを数えると、岡山県全体で16,700戸でした。木造一戸建ての空き家(67,100戸)の24.9%にあたり、解体補助の対象になりうる「傷んだ実家」のおおよその規模と言えます。市町村別の数字が公表されている15市について、空き家率(空き家率ランキングの記事)と解体補助を並べました。

市空き家率木造一戸建ての空き家うち腐朽・破損あり割合解体補助
高梁市34.4%2,970戸1,120戸37.7%1/3・50万円
美作市32.6%3,170戸920戸29.0%1/2・50万円
備前市29.0%2,670戸450戸16.9%1/3・50万円
笠岡市23.5%3,750戸530戸14.1%1/2・50万円
新見市23.0%2,410戸720戸29.9%1/3・50万円
真庭市20.2%2,600戸500戸19.2%1/3・50万円
津山市20.1%4,280戸880戸20.6%1/3・50万円
井原市19.3%2,320戸650戸28.0%1/2・50万円
瀬戸内市18.8%1,570戸330戸21.0%1/3・50万円
玉野市18.6%2,850戸710戸24.9%1/3・50万円
赤磐市16.4%1,490戸150戸10.1%1/3・50万円
岡山市14.5%17,300戸4,900戸28.3%1/3・60万円
浅口市13.7%1,430戸450戸31.5%1/2・50万円
倉敷市13.6%9,800戸2,770戸28.3%1/2・50万円
総社市12.3%1,480戸320戸21.6%減免のみ
岡山県16.5%67,100戸16,700戸24.9%-

※「木造一戸建ての空き家」は、空き家のうち賃貸用・売却用・二次的住宅(別荘など)を除いたもの。統計は標本調査の推計値で、10戸単位などに丸められています。町村は人口1万5千人以上のみ公表のため、岡山県の12町村は市町村別の数字がありません。

  • 空き家率が県内で最も高い高梁市(34.4%)は、腐朽・破損ありの木造一戸建て空き家が1,120戸。補助は1/3・上限50万円に加え、跡地を売る場合の土地流通促進補助(上限70万円)があります
  • 腐朽・破損ありの割合が最も高いのは高梁市(37.7%)、最も低いのは赤磐市(10.1%)
  • 県全体の16,700戸すべてに上限50万円の補助を出すと、単純計算で83.5億円。毎年度の予算は限られているため、早めの相談が有利です(浅口市の今年度予算は10件分)

解体の前に確認したいお金と法律

相続登記は2024年4月から義務|過去の相続は2027年3月31日まで

不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記をする義務があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。2024年4月1日より前に相続した不動産も対象で、2027年3月31日までに登記が必要です(法務省)。解体補助の申請では登記事項証明書の提出を求める市町村が多く、相続人が申請する場合は戸籍謄本などで相続関係を示します。

更地にすると土地の固定資産税が上がることがある

住宅が建っている土地は、固定資産税の「住宅用地特例」で200㎡までの部分の課税標準が1/6(超える部分は1/3)に軽減されています(里庄町公式の説明)。解体して更地にするとこの特例が外れ、翌年度から土地の税額が上がる場合があります。一方で、空き家を放置して市町村から「管理不全空家」「特定空家」として勧告を受けると、建物が残っていても特例は解除されます(国土交通省 改正空家法、2023年12月13日施行)。さらに岡山市・倉敷市・笠岡市・井原市・浅口市などは、勧告を受けた特定空家は解体補助の対象外としています。

総社市(最大3年間)と里庄町(最大2年間)は、解体後の土地の固定資産税を減免する制度があります。

売るなら「3,000万円特別控除」の要件を先に確認

亡くなった親が1人で住んでいた家(1981年5月31日以前の建築)を相続し、建物を取り壊して土地を売る場合なども、譲渡所得から最高3,000万円(相続人が3人以上なら2,000万円)を控除できる特例があります。売る期限は相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、特例の期間は2027年12月31日までの譲渡、売却代金は1億円以下などの要件があります(国税庁 No.3306、令和8年4月1日現在法令等)。解体のタイミングと売却時期によって使える・使えないが分かれるので、解体前に税務署や税理士に相談してください。

解体しない選択肢|空き家バンク・改修・家財処分の補助

まだ住める家なら、売る・貸すという道もあります。県の一覧では27市町村すべてに空き家バンクがあり、改修や購入への補助も全市町村が設けています。家財(家具・家電・仏壇など)の片付けに使える家財処分補助は22市町村にあります。なお、解体補助は家財の処分費を対象にしていない市町村があるため(美作市のよくある質問など)、片付けは家財処分補助、建物は解体補助と分けて考えると無駄がありません。

市町村空き家バンク改修補助の上限(万円)家財処分補助
岡山市あり60(子育て70)あり
倉敷市あり50〜110(一部区域)-
津山市あり60(県外移住)あり
玉野市あり50〜100あり
笠岡市あり30あり
井原市あり100あり
総社市あり30-
高梁市あり70+加算あり
新見市あり150+加算(移住)あり
備前市あり50(賃貸住宅)あり
瀬戸内市あり50(県外移住)あり
赤磐市あり60(県外)・15(県内)あり
真庭市あり30+加算あり
美作市あり50+加算あり
浅口市あり30〜60あり
和気町あり60〜240(移住)あり
早島町あり30〜60あり
里庄町あり120(移住)-
矢掛町あり100-
新庄村あり50あり
鏡野町あり50〜100あり
勝央町あり70+加算あり
奈義町あり100(賃貸住宅)あり
西粟倉村あり工種による-
久米南町あり50〜100あり
美咲町あり50〜150あり
吉備中央町あり50あり

※県の一覧(令和8年9月時点)の「活用補助」「家財処分補助」欄から。改修補助の多くは空き家バンク登録物件や市町村外からの移住者が対象で、子育て世帯・若者などの加算がある市町村もあります(「+加算」)。詳しい条件は各市町村で確認してください。

よくある失敗と注意点

  • 先に業者と契約してしまった:交付決定の前の契約・着工は、公式ページで確認できた市町村はどこも対象外です。見積りまでにとどめておきます
  • 市外の業者に頼んだ:多くの市町村は市内(町内)業者が条件。倉敷市は「市内に本社または本店」とさらに限定しています
  • 一部だけ解体した:補助は建物の全部撤去が原則。母屋だけ残す、倉庫だけ壊すといった工事は対象外になりやすいです
  • 年度内に工事が終わらない:多くは2月末までの実績報告が必要。冬に申請すると工期が足りないことがあります
  • 2回目は使えない:倉敷市(同じ人)・玉野市(同じ空き家)・高梁市(同じ敷地)・西粟倉村などは1回限りです
  • 勧告を受けるまで放置した:勧告後は解体補助の対象外になる市町村があり、固定資産税の特例も外れます
  • 共有者の同意を取っていない:相続人が複数いると、全員の同意書・承諾書を求められます

よくある質問

岡山県で空き家の解体に補助金が出る市町村はどこですか?

2026年11月1日時点で、岡山県27市町村のうち総社市を除く26市町村に解体(除却)費用の補助があります。総社市は解体費の補助の代わりに、解体後の土地の固定資産税等を最大3年間減免しています。

空き家の解体補助金はいくらもらえますか?

多くは解体費の1/3〜1/2で、上限は50万円が21市町村です。岡山市・里庄町は上限60万円、奈義町(町内業者)・西粟倉村・美咲町は上限150万円、美作市は特定空家なら上限300万円です。

古い家なら必ず補助の対象になりますか?

なりません。多くの市町村は、倒壊などの危険がある特定空家等やそのおそれがあると市町村が判定した空き家を対象にしています。笠岡市は「建物が古い」「瓦が少し落下している」だけでは対象外としています。奈義町は危険度の条件を設けていません。

解体工事を始めてから申請できますか?

できません。交付決定の前に工事の契約や着工をすると補助の対象外です。必ず先に市町村の窓口で事前相談をしてください。

実家が県外にあり自分は岡山に住んでいません。申請できますか?

空き家のある市町村の制度に、所有者や相続人として申請します。美作市は所有者の住所地にかかわらず要件を満たせば申請できると案内しています。

相続登記をしていなくても解体補助は使えますか?

相続人として申請できる市町村が多く、戸籍謄本や確約書などで相続関係を示します。ただし相続登記は2024年4月から義務化されており、過去の相続分も2027年3月31日までに登記が必要です。

まとめ

  • 岡山県では26市町村に空き家の解体補助があり、補助率は1/3〜1/2、上限は50万円が中心
  • 木造30坪・解体費200万円なら、20市町村で補助50万円・自己負担150万円。奈義町・西粟倉村・美咲町は補助100万円
  • 今年度は11月末〜12月末に締め切る市町村が多く、予算が尽きれば終了。契約前の事前相談が必須
  • 相続登記の期限(過去分は2027年3月31日)、固定資産税の住宅用地特例、3,000万円特別控除を解体前に確認
  • まだ使える家なら、空き家バンク(27市町村)・改修補助・家財処分補助(22市町村)も検討

あわせて読みたい

※市町村数・モデル計算・締切までの日数・空き家の集計は、上記の資料から筆者が集計・計算しました。補助の内容や予算の残りは変わることがあるため、申請の前に必ず各市町村の窓口で最新の内容を確認してください。

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