ナガエツルノゲイトウ岡山県の確認状況2026|倉敷市小田川・矢掛町と見分け方・駆除

岡山県で初確認されたナガエツルノゲイトウ――最悪の侵略的植物

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2025年1月下旬、岡山県倉敷市真備町の小田川河川敷で、特定外来生物に指定されている「ナガエツルノゲイトウ」が県内で初めて確認されました。同年5月には矢掛町の水田でも見つかり、岡山県は2026年度から新たな防除事業に取り組んでいます。この南米原産の多年草は、極めて高い繁殖力を持ち、世界中で水辺の生態系や農業に深刻な影響を及ぼしています。日本国内ではすでに複数の県で問題視されており、その強靭な生命力から「最悪の侵略的植物」とも称されています。

2026年9月時点で確認できた岡山県内の状況を、県や市の公式情報からまとめると次のとおりです。

岡山県内の状況(2026年9月時点)
  • 2025年1月下旬:倉敷市真備町の小田川河川敷(琴弾橋付近と、箭田橋〜二万橋付近の計9地点)で県内初確認
  • 2025年5月28日:矢掛町の水田(約30アール)で、県内の農地として初めて確認。県病害虫防除所が特殊報を発表
  • 2026年度:岡山県が新規の「ナガエツルノゲイトウ防除事業」(当初予算案1,000万円)で、生息範囲の縮小・低密度化と拡散防止に取り組む
  • 2026年7月:岡山市も見分け方と連絡先をまとめたページと啓発チラシを公開
  • 見つけたら:抜いたり刈ったりせずに写真を撮り、県自然環境課(086-226-7309)か市町村へ連絡。農地なら県病害虫防除所(086-955-0543)へ

本記事では、ナガエツルノゲイトウの生態や被害、岡山県内での確認状況と県・市の対応、見分け方、見つけたときの連絡先、防除対策まで解説します。農業に携わる方や、水辺の環境保全に関心のある方はぜひ参考にしてください。

引用元https://www.asahi.com/articles/AST2Q44RPT2QPPZB00DM.html


目次

■ ナガエツルノゲイトウとは?

■ ナガエツルノゲイトウとは?
https://x.com/jagrinews/status/1892718946702524653

ナガエツルノゲイトウ(学名:Alternanthera philoxeroides)は、ヒユ科ツルノゲイトウ属に属する多年生の水陸両用植物です。原産地は南アメリカで、特にアルゼンチン、ブラジル、パラグアイといった国々で見られます。

日本では1989年に兵庫県尼崎市で初めて定着が確認されました。その後全国に分布を広げ、2005年には外来生物法で最初に「特定外来生物」に指定された種の一つとなりました。岡山県病害虫防除所によると、2025年2月時点で東北以南の30都府県で分布が確認され、そのうち14府県では水田への侵入も確認されています。

ナガエツルノゲイトウの最大の特徴は、驚異的な繁殖力です。茎や葉、根の一部が水中や土中に残るだけで、そこから再生が可能です。つまり、物理的に引き抜いたとしても、断片が残れば再び繁茂してしまうのです。

また、水辺だけでなく、湿地や農地、用水路などにも生息できるため、非常に幅広い生育環境に適応します。水面に浮かぶように群生し、光を遮断して水生植物の光合成を妨げたり、水の流れを止めたりするため、極めて厄介な存在です。


■ ナガエツルノゲイトウの問題点と被害

■ ナガエツルノゲイトウの問題点と被害
https://www.youtube.com/watch?v=DZvlXgaMjbg
  1. 生態系への影響
    • 在来の水草や湿地植物の生育を阻害し、生物多様性を著しく損なう。
    • 魚類や水棲昆虫、鳥類の生息環境を破壊。
    • 一度定着すると在来種の回復が困難になる。
  2. 農業への影響
    • 水田や畑の用水路を覆い尽くし、水の供給を妨げる。
    • 農作業に支障をきたし、収穫量の減少を招く。
    • 機械の破損や作業遅延など、間接的な経済損失も発生。
  3. 生活環境への影響
    • 水路の詰まりによる洪水リスクの増加。
    • 景観の悪化や蚊などの害虫発生源になる可能性。
    • 河川利用の妨げ(釣り、ボート、農業用ポンプなど)。

■ 岡山県での確認状況と対応(2026年9月更新)

2025年1月下旬、岡山県倉敷市真備町の小田川河川敷でナガエツルノゲイトウが確認されました。県の発表によると、場所は琴弾橋(真備町妹)付近の1地点と、箭田橋(真備町箭田)〜二万橋(真備町下二万)付近の8地点の計9地点で、生息範囲はそれぞれ1〜9平方メートル程度でした。

確認のきっかけは、国土交通省岡山河川事務所が行った調査の結果などでした。県は2025年2月19日、岡山河川事務所・環境省中国四国地方環境事務所・倉敷市と連携して防除に取り組むと発表し、4月以降、新芽や花で生息範囲を確かめたうえで順次駆除し、確認地点とその上下流各1km程度でモニタリング調査を行う計画を示しました。

2025年5月:矢掛町の水田でも確認

2025年5月27日、矢掛町の水田にナガエツルノゲイトウと疑われる多年草があると連絡があり、翌28日に同種と判明しました(発生面積は約30アール)。岡山県病害虫防除所は5月30日に「病害虫発生予察特殊報第1号」を出し、水稲の生産者に警戒を呼びかけています。河川敷だけでなく、県内の農地でも見つかったことになります。

2026年度:県が防除事業を新設

岡山県は2026年度(令和8年度)の当初予算案に、新規事業「ナガエツルノゲイトウ防除事業」として1,000万円を計上しました。農作物の生育を妨げたり水路の流れをせき止めたりする被害を未然に防ぐため、生息範囲の縮小・低密度化、拡散防止、関係者・関係機関との連携に取り組むとしています。

倉敷市・岡山市の呼びかけ

倉敷市は国・県と連携して防除を進めるとしており、市内で疑わしい株を見つけたら環境政策課(自然保護係)へ連絡するよう呼びかけています(2026年4月更新)。岡山市も2026年7月、見分け方や連絡先をまとめたページと啓発チラシを公開しました。


■ ナガエツルノゲイトウの見分け方

岡山県病害虫防除所や県の生産者向けチラシでは、次の特徴を見分けるポイントに挙げています。

  • 葉:茎の節から左右に1対ずつ付きます。長さ2.5〜5cm、幅0.7〜2cmで、先はややとがります。
  • 茎:中が空洞のストロー状で、節に短い毛があります。表面はなめらかで、節から根を出します。
  • 花:葉の付け根から1〜4cmほどの柄を伸ばし、その先に直径1〜1.5cmほどの白い球状の花を付けます。開花期は4〜10月です。
  • 生える場所:日当たりのよい川や水路、ため池などの水辺のほか、畦畔や畑などの陸地でも育ちます。

国内の系統は種子を付けず、ちぎれた茎や根の断片から増えます。県の生産者向けチラシでは、確かめるときも茎は切らずに、指でつまんで弾力を確認するよう勧めています。判断がつかないときは、県自然環境課か市町村の窓口に写真を添えて相談できます。


■ 駆除方法と防除対策

■ 駆除方法と防除対策

ナガエツルノゲイトウの駆除は非常に難しいことで知られています。一度定着してしまうと、物理的な除去だけでは不十分であり、長期的な対応が必要です。

物理的除去

  • 茎や根の断片が残らないよう、慎重な引き抜き作業が求められます。
  • 刈払機は茎や根の断片を広げるおそれがあるため、岡山県の生産者向けチラシでは、畦畔では刈払機を使わず非選択性除草剤で対応するよう勧めています。
  • 抜き取った株は放置せず、断片がこぼれないよう袋に入れて密閉し、完全に乾燥させるか腐らせて処分します(岡山県病害虫防除所の特殊報より)。

除草剤の活用

  • 「ピラクロニル」や「フロルピラウキシフェンベンジル」といった有効成分を含む除草剤が使用されます。
  • 効果的な除草には、2年以上にわたる継続的な散布が必要とされています。
  • 岡山県の生産者向け資料では、水田の刈跡対策として、稲刈り後すぐに耕うんせず、霜が降りる前に非選択性除草剤を散布し、散布から1か月ほどたってから耕うんすることをポイントに挙げています。除草剤はラベルの表示(適用場所・収穫前日数・散布回数など)を確かめてから使います。

予防策

  • 用水路や給水口には金属製のざるやネットを設置し、茎の断片の侵入を防ぐ。
  • 農業機械の清掃を徹底し、他の水域への拡散を防止。
  • 発見次第、県や市町村の環境課へ速やかに通報。

■ 国内外の被害事例

■ 国内外の被害事例

日本国内では、愛知県や滋賀県、岐阜県などで深刻な問題が発生しています。特に滋賀県では琵琶湖における繁茂が問題となり、観光業や漁業にも悪影響を与えています。

海外では、アメリカ合衆国のフロリダ州やカリフォルニア州で問題視されており、農業だけでなく湿地の消失、生態系の崩壊といった被害が報告されています。


■ 市民へのお願い

■ 市民へのお願い

ナガエツルノゲイトウの駆除には、行政の努力だけでなく、市民一人ひとりの協力が欠かせません。

  • 河川敷や水辺で見慣れない植物を見つけた場合は、安易に触れたり引き抜いたりせず、写真を撮って県や市町村へ連絡してください(連絡先は下の表)。
  • 刈払いや草取り作業の際は、周囲に拡散しないよう慎重な対応をお願いします。
  • ナガエツルノゲイトウは法律で、生きたままの移動や持ち帰り、栽培などが禁止されています。見つけた株を持ち帰ったり、別の場所に捨てたりしないでください。

見つけたときの連絡先(岡山県内)

岡山県・倉敷市・岡山市の公式ページに載っている連絡先です(2026年9月30日確認)。

見つけた場所連絡先
川・水路・ため池など(農地以外)岡山県自然環境課
086-226-7309
メール:sizen@pref.okayama.lg.jp
または発見場所の市町村
倉敷市内倉敷市 環境政策課(自然保護係)
086-426-3391
岡山市内岡山市 環境保全課 自然保護係
086-803-1284
水田・畑・畦畔(農地)岡山県病害虫防除所
086-955-0543
県農業研究所 作物・経営研究室
086-955-0275
または最寄りの農業普及指導センター
県が管理する河川上記に加えて河川管理者へ
倉敷市・総社市・早島町:備中県民局建設部管理課
086-434-7080
矢掛町・笠岡市・井原市・浅口市・里庄町:備中県民局建設部井笠地域管理課
0865-69-1634
  • 県自然環境課へメールで知らせるときは、(1)発見日時 (2)発見場所(地名だけでなく周囲の様子も)(3)連絡先と名前を書き、花・茎・葉の特徴がわかる写真を付けます。
  • 小田川のうち、高梁川との合流点から琴引橋の少し上流までは、国(国土交通省岡山河川事務所)が管理する区間です。

■ まとめ:未来の水辺を守るために

■ まとめ:未来の水辺を守るために

ナガエツルノゲイトウは、まさに自然界の侵略者ともいえる存在です。その対策は一朝一夕ではなく、長期的な視点と多方面からのアプローチが必要です。

岡山県内では2025年に倉敷市の小田川河川敷と矢掛町の水田で相次いで見つかり、県は2026年度から防除事業を新たに始めました。定着して広がる前に見つけて駆除する「早期発見・早期駆除」が、県の河川課や生産者向けチラシでも呼びかけられている基本です。見慣れない水草を見つけたら、抜かずに写真を撮って県や市町村へ知らせましょう。

水辺の未来は、私たち一人ひとりの意識と行動にかかっています。

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