岡山・水島港でヒアリ3100匹|2026年は全国44件で過去最多

倉敷・水島港でヒアリ3,100匹 女王アリも 2026年は全国44件で過去最多

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倉敷市の水島港国際コンテナターミナルで2026年8月、強い毒を持つ特定外来生物「ヒアリ」が3,100匹以上見つかりました。女王アリや羽アリ、卵・幼虫も含まれていて、7月の2,400匹以上に続く同じ年2回目の確認です。「岡山にもヒアリがいるの?」「3,100匹って多いの?」と気になった人も多いと思います。

この記事では、岡山県と環境省の発表資料をもとに経緯を整理し、さらに環境省「ヒアリの確認事例一覧」を2019年度から1件ずつ集計して、今回の規模が全国でどのくらいなのかを数字で確かめました。見分け方や、見つけたとき・刺されたときに環境省がすすめている対応もまとめています(2026年10月22日時点)。

ちばける

ヒアリが見つかったのはコンテナターミナルの中で、県は「県内での定着は報告されていない」としています。必要以上にこわがらず、正しい見分け方と連絡先を知っておきましょう。

この記事でわかること
  • 水島港では7月(2,400匹以上)と8月(3,100匹以上)の2回、どちらも女王アリが見つかりました。間は35日。人的被害の報告はありません
  • ヒアリかアカカミアリが水島港で見つかったのは2017年から数えて8度目(岡山県の発表)
  • 2026年度の全国の確認は44事例で過去最多(10月16日公表分まで。前年度より8件多い)
  • 8月の水島港の3,100匹以上は、2026年度の一覧で1回に見つかった数として全国最多。全事例の中央値(200)の約15.5倍です
  • 2026年度に女王アリが見つかった3事例のうち2事例が水島港
  • ヒアリが見つかるのは6〜7月だけではありません。過去6年度の151事例のうち14.6%が10月の発見でした
目次

水島港のヒアリ3,100匹はいつ見つかった?|8月23〜26日の経緯

岡山県は2026年8月28日、水島港国際コンテナターミナルで見つかったアリがヒアリと確認されたと発表しました(岡山県 報道発表)。県が定期的に行っている県独自のヒアリ等生息確認調査で見つかったもので、同じ日に環境省も発表しています(環境省 報道発表)。

日付岡山県の発表による経緯見つかった数
8月23日(日)専門業者がヒアリと疑われるアリを発見し県に通報。近くに殺虫餌(ベイト剤)を設置約500匹
8月24日(月)県と環境省がコンテナ底部などを調べ、新たな個体を発見。殺虫餌で防除し、検査機関へ鑑定を依頼2,600匹以上
8月26日(水)検査機関がヒアリと確認―
8月28日(金)岡山県・環境省が発表合計3,100匹以上

環境省の発表によると、見つかった場所はコンテナヤードに置かれていたコンテナと地面のすき間、コンテナの下の舗装面とその周りです。中身は働きアリのほか、羽アリ約100個体、女王アリ1個体、卵・幼虫・サナギ多数。さらに舗装面の割れ目や継ぎ目から土の中へ出入りしているのが確認されています。

場所はターミナルのある玉島ハーバーアイランドの6号埠頭(玉島HI6号埠頭)で、港湾施設の中です。県は「確認された範囲全域に防除作業を行っており、人的被害の報告はありません」とし、当分の間、発見場所の周りで経過観察を続けるとしています。

「3,000以上」と「3,100以上」の違い

報道では「3,100匹」と「3,000匹以上」の2つの数字が出ています。岡山県の資料は23日の約500匹+24日の2,600匹以上=3,100匹以上という足し算で、8月28日の環境省の発表文は働きアリ3,000個体以上と書いています。その後、環境省の2026年度ヒアリ確認事例一覧では「3100以上」と載っているので、この記事では3,100匹以上として扱います。

7月にも2,400匹|2026年は水島港で2回見つかった

水島港では8月の約1か月前、7月19日にもヒアリが見つかっています(岡山県 7月21日発表資料)。こちらは環境省の侵入状況調査で見つかったものです。2回を並べると次のとおりです。

項目7月の確認8月の確認
見つかった日7月19日(日)8月23日(日)
きっかけ環境省の調査岡山県の独自調査
数(岡山県の発表)約100+約300+2,000以上=2,400匹以上約500+2,600以上=3,100匹以上
数(環境省の一覧)約25003100以上
女王アリなど女王アリ・羽アリ20個体程度、卵・幼虫100個体程度女王アリ1個体・羽アリ100個体程度、卵・幼虫・サナギ多数
環境省の番号2026年度 22事例目2026年度 28事例目
人的被害報告なし報告なし

2回で合わせて5,500匹以上(岡山県の発表ベース)。中国新聞デジタルは、8月はターミナルの北側、7月は南側で見つかったと報じています(中国新聞デジタル 8月28日)。

水島港は10年で8度目|岡山県内の確認の歴史

岡山県の資料によると、水島港でヒアリかアカカミアリが見つかったのは今回で8度目です。アカカミアリはヒアリの仲間で、毒はヒアリより弱いものの、同じく要緊急対処特定外来生物に指定されています。県のヒアリ・アカカミアリのお知らせと環境省の一覧から、県内の確認を並べました。

時期場所種類見つかった数など
2017年8月水島港ヒアリ(県内初)200匹強(女王2匹)。その後の調査で数十匹など
2017年9月笠岡市の事業所ヒアリ1個体(無翅女王アリ)。中国から神戸港経由で陸送された積荷
2018年9月水島港アカカミアリ約60
2019年6月水島港アカカミアリ約300
2020年10月水島港アカカミアリ約200
2022年9月水島港アカカミアリ100以上
2022年10月井原市の事業所ヒアリ福山港から運ばれたコンテナの中。県発表は10,000匹以上、環境省一覧は働きアリ70,000以上
2023年7月水島港コカミアリ(別の特定外来生物)約30個体。国内では2014年の成田空港の検疫での確認以来
2025年7月水島港アカカミアリ約500匹+約100匹
2026年7月水島港ヒアリ2,400匹以上(女王アリあり)
2026年8月水島港ヒアリ3,100匹以上(女王アリあり)

水島港でヒアリそのものが見つかったのは2017年以来9年ぶりで、2018〜2025年に見つかったのはアカカミアリ(5回)でした。2026年は1年に2回、しかもどちらも女王アリ付きという点で、これまでとは様子が違います。アカカミアリの全国の確認は2017年以降で218事例あり、うち水島港は5事例です(環境省 アカカミアリ確認事例一覧)。

全国のヒアリ確認件数を年度別に集計|2026年度は44事例で過去最多

環境省は、2017年6月に国内で初めてヒアリが見つかって以降の確認を年度ごとの一覧で公表しています(環境省 ヒアリに関する情報)。2019〜2025年度の一覧と2026年度の一覧(10月16日作成)から、1件ずつ数え直しました。

年度確認事例数累計うち岡山県
2017〜201838(2年度の合計)―水島港・笠岡市(2017年)
201910480
202016640
202120840
2022892井原市(1)
2023191110
2024241350
2025361710
202644215水島港(2)
  • 2026年度は10月16日公表分までで44事例。これまで最多だった2025年度の36事例をすでに8件上回り、2019年度(10事例)の4.4倍です
  • 2017年6月からの累計は215事例・21都道府県。岡山県の事例は2017年の2件、2022年の井原市、2026年の水島港2件です
  • 2017〜2018年度は年度別の一覧が見当たらないため、2019年度一覧の累計(48)から2019年度分を引いた合計で示しました

2025年度が過去最多の36件だったことは、山陽新聞デジタルも環境省の説明として報じています(山陽新聞デジタル)。2026年度はその記録を10月の時点で塗り替えました。

2026年度の都道府県別|岡山は全国6位タイ

都道府県事例数おもな港
東京都14東京港
神奈川県7横浜港
大阪府7大阪港
兵庫県5神戸港
福岡県4三池港・北九州港・博多港
愛知県2名古屋港
岡山県2水島港
三重県1四日市港
愛媛県1松山港
静岡県1清水港

2026年度に確認があったのは10都府県。東京港・大阪港・横浜港・神戸港など大きなコンテナ港が上位で、岡山県(水島港)は2事例で愛知県と並んでいます。中国地方で確認があったのは岡山県だけで、四国では愛媛県(松山港)が1事例です。

見つかった数で比べると|水島港は1回の数が全国最多

一覧の「個体数」欄(「約」「以上」は外して数字だけ)を港ごとに合計しました。2026年度の44事例の合計は約22,370で、水島港の2事例だけで約5,600=全体の25.0%にあたります。

港事例数個体数の合計1回の最大
大阪港7約5,9802,500
水島港2約5,6003,100
東京港14約4,4701,100
松山港1約2,4301,880
横浜港7約1,120400
神戸港5約920300
  • 1事例あたりの数の中央値は200。8月の水島港(3,100以上)はその約15.5倍でした
  • 大阪港の6月の事例は2回に分けて約2,500と約2,400が見つかり、1事例の合計(約4,900)では8月の水島港より多くなります。港の合計でも大阪港が1位、水島港は2事例だけで2位です
  • 女王アリが見つかったのは3事例だけ(神戸港の無翅女王1と、水島港の2事例)。女王がいるということは、その場所で巣が作られかけていた可能性を示します

さらにさかのぼって2019年度以降の一覧を見ると、1回の確認で3,000以上だったのは今回を含めて5例だけでした。

年度場所個体数状況
2022岡山県井原市(事業者敷地)働きアリ70,000以上コンテナの中
2025東京都江東区(東京港青海ふ頭)10,000以上(推計値)コンテナ内外・ヤード地面・植え込み
2023兵庫県神戸市(ポートアイランド)5,000以上(推計値)コンテナヤード地面
2023福岡県福岡市(博多港アイランドシティ)約4000コンテナヤード外側の地面(2024年4月の再確認。女王30個体程度)
2026岡山県倉敷市(水島港)3100以上コンテナヤード地面

5例のうち2例は岡山県内です。ただし井原市の例はコンテナの中にいたもので、コンテナの外の地面で3,000以上というのは、推計値でない数としては今回の水島港が2019年度以降で2例目になります。

ヒアリはいつ見つかる?|10月もまだ要注意

「ヒアリは夏の話」と思われがちですが、発見日が載っている2021〜2026年度(2026年度は10月16日公表分まで)の151事例を月ごとに数えると、秋にもかなり見つかっています。

発見月事例数(6年度合計)割合うち2026年度
5月64.0%3
6月3221.2%10
7月4227.8%14
8月127.9%1
9月3523.2%12
10月2214.6%4
11月21.3%0

いちばん多いのは7月(42事例)ですが、9〜11月の発見が59事例・39.1%を占め、10月だけでも22事例(14.6%)あります。2026年度も10月に入ってから横浜港・東京港・神戸港で4事例が見つかっています。環境省はヒアリが入りやすい港で春から秋にかけて月1回程度の調査をしていて、月ごとの件数には調査の時期も影響していると見られます。

ヒアリの見分け方|体長2.5〜6mm・赤っぽくツヤツヤ

ヒアリは南米原産のアリで、毒針で刺されるとやけどのような激しい痛みが出ることから「火蟻」と呼ばれています。特徴は次のとおりです(環境省 ヒアリの基礎情報・岡山県)。

ヒアリアカカミアリ
体長働きアリ2.5〜6mm程度3〜5mm程度
色赤っぽくツヤツヤ。腹部は暗い色ヒアリとよく似ていて、見分けるのは難しい
巣日当たりのよい開けた場所に、土を盛ったドーム状の「アリ塚」むき出しの地面や草地の土の中
毒強いヒアリより弱いが同じ種類の毒
  • 女王アリは体長7〜8mm程度、雄アリは5〜6mm程度で黒っぽく翅(はね)があります
  • 環境省によると、アリ塚が大きく目立つようになるまでには2〜3年かかります。大きなアリ塚を目印に探すのではなく、その前に見つけて駆除することが大切だとしています
  • 間違えやすいのは「キイロシリアゲアリの女王」。9月ごろ巣づくりのために出てくるオレンジ色の女王アリで、問い合わせが多いそうです。次が足が8本あるアリグモの仲間です

岡山県も、アカカミアリは「ヒアリと見分けるのは難しい」としています。自分で判断しようとせず、疑わしいときは次の連絡先に相談するのが確実です。

ヒアリかな?と思ったら|触らず、相談ダイヤルへ

環境省は、ヒアリかもしれないアリを見つけたときの対応を次のように案内しています(環境省 ヒアリかな?と思ったら)。

状況環境省が案内している対応
アリの数が少ないスプレー式の殺虫剤などで殺虫する。正確に調べたい場合は相談ダイヤルか市町村に連絡し、写真を送って相談のうえ実物を郵送・持参
アリの集団や巣を見つけた絶対に刺激せず、すぐにヒアリ相談ダイヤルか市町村へ連絡。つついたり踏んだり、殺虫剤や熱湯をかけたりしない
死んだアリ死骸でも針が出ていて刺さることがあるので素手で触らない。調べてもらうアリはセロハンテープに貼らず、綿などに包む
毒餌(殺虫餌)ヒアリと確認されるまでは、むやみに置かない(在来のアリまで殺すと、かえってヒアリが定着しやすくなるため)

岡山県内の連絡先

連絡先電話受付
ヒアリ相談ダイヤル(環境省)0570-046-110(IP電話は06-7634-7300)毎日9〜17時(12月29日〜1月3日を除く)
環境省 中国四国地方環境事務所 野生生物課086-223-1561―
岡山県 自然環境課086-226-7309―
最寄りの市町村役場各市町村―

電話番号と受付時間は岡山県のお知らせページによります。環境省のページには、365日24時間使える「アリーのヒアリ相談チャットボット」もあります(最終的な種の判定を保証するものではない、とされています)。

もしヒアリに刺されたら|環境省が示している対処

ここでは、環境省が「もし、ヒアリに刺されたら?」で案内している内容を紹介します。体の反応は人によって大きく違うため、具体的な判断は医療機関に相談してください。

環境省の案内(要約)
  • 体調に変化がなくても、20〜30分程度は刺された所を冷たいタオルや保冷剤で冷やしながら安静にして様子を見る。その間、なるべく一人にならない
  • 誰にでも出る症状は、刺された瞬間の焼けるような激しい痛み、かゆみ、翌日に赤みの中央に膿がたまったようになること。その後は徐々に改善していく
  • じんましんや体調の異常を感じたら、すぐに医療機関(病院)を受診する
  • 刺されて20〜30分以内に息苦しさ・声がれ・激しい動悸・めまいなどが出たら、アナフィラキシーショックの可能性があり救急車を呼ぶ必要がある。「アリに刺されたこと」を伝える
  • 刺したアリの死骸を持っていくと診断に役立つ。ハチ毒アレルギーのある人は特に注意(ヒアリの毒にはハチ毒と共通の成分がある)

犬や猫などのペットも、刺されると人と同じように重い症状を起こすことがあるとされています。今回の水島港を含め、2026年10月22日時点で岡山県内のヒアリによる人的被害の報告はありません。

2023年のコカミアリとの関係|水島港は「入口」になりやすい

水島港では2023年7月にも、中南米原産のコカミアリが約30個体見つかっています。環境省によると、国内でコカミアリが確認されたのは2014年に成田空港の検疫で見つかった例だけでした(環境省 報道発表 2023年)。そのときの記事はこちらです。

ヒアリ・アカカミアリ・コカミアリは、どれも海外からのコンテナにまぎれて入ってきます。水島港は中国などからの定期コンテナ航路がある港で、環境省と岡山県の両方が定期的に調査しているからこそ、早い段階で見つかっているとも言えます。環境省は確認地点の周り2kmを目安に周辺調査を行い、翌年・翌々年にもフォローアップ調査をするとしています(環境省 地方公共団体のみなさまへ)。

水島港のヒアリについてよくある質問

Q. 水島港のヒアリはいつ見つかりましたか?

2026年は7月19日(2,400匹以上)と8月23〜24日(3,100匹以上)の2回です。8月分は8月28日に岡山県と環境省が発表しました。どちらも水島港国際コンテナターミナルの中で、人的被害の報告はありません。

Q. 3,100匹は全国で多いほうですか?

環境省の2026年度の一覧(44事例)で、1回に見つかった数としては最多です。2019年度以降で1回3,000以上だったのは5例しかありません。港ごとの合計では大阪港に次ぐ2番目です。

Q. 岡山県にヒアリは定着したのですか?

岡山県は「県内でのヒアリ・アカカミアリの定着は報告されていません」としています。ただし8月は土の中への出入りが確認されていて、県は当分の間、発見場所の周りで経過観察を続けるとしています。

Q. ヒアリかもしれないアリを見つけたら?

集団や巣なら刺激せず、環境省のヒアリ相談ダイヤル(0570-046-110、毎日9〜17時)か市町村に連絡します。数が少なければ市販のスプレー式殺虫剤で殺虫してよいとされています。死骸でも素手で触らないでください。

Q. 刺されたらどうすればいいですか?

環境省は、20〜30分程度は冷やしながら安静にして様子を見て、じんましんや体調の異常があればすぐ医療機関を受診、息苦しさなどがあれば救急車を呼ぶよう案内しています。不安なときは医療機関に相談してください。

まとめ|水島港のヒアリは「港の中」で食い止められている

  • 水島港で2026年7月に2,400匹以上、8月に3,100匹以上のヒアリ。どちらも女王アリ付きで、ヒアリかアカカミアリの確認は2017年から8度目
  • 全国では2026年度に44事例(過去最多)。水島港の8月の数は1回あたりで全国最多
  • ヒアリは10月にも見つかる(過去6年度で14.6%)
  • 見つけたら触らず、ヒアリ相談ダイヤル(0570-046-110)へ。刺されたら冷やして安静にし、異常があれば医療機関へ

県内での定着は報告されていませんが、港の外へ広がらないよう、国と県の調査が続いています。新しい発表があれば、この記事に追記します。

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※年度別・都道府県別・港別・月別の件数、合計、割合、中央値は、環境省の確認事例一覧から筆者が集計しました。個体数は一覧の「約」「以上」を外した数字の合計で、おおよその目安です。ターミナルの北側・南側は報道によります。

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倉敷・水島港でヒアリ3,100匹 女王アリも 2026年は全国44件で過去最多

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