「〇〇で打線組んでみた」シリーズ、今回はど真ん中の本物の野球でいきます。テーマは岡山県出身のプロ野球選手。晴れの国・岡山からは、486本塁打の大杉勝男さん、201勝の平松政次さん、そして2年連続世界一のドジャースで投げる山本由伸投手まで、とんでもない顔ぶれがプロの世界に羽ばたいています。
ただ、思い出補正で選ぶとケンカになるので、今回は数字で選びました。Wikipediaで出身地が岡山県になっている選手143人を洗い出し、日本野球機構(NPB)公式サイトの個人成績で一軍の通算成績が確認できた100人を全員集計。その中からポジションごとにベストの9人+投手陣+ベンチを組みました。
ちばける岡山出身の100人、通算で安打18,766本・本塁打1,848本・勝利1,586勝。並べてみたら「投手王国」っぷりがすごかったです。
- 岡山県出身のプロ野球選手で組んだベストオーダー(スタメン9人・投手・ベンチ・監督)
- 岡山出身100人の通算成績ランキング(安打・本塁打・勝利・盗塁)
- 岡山出身のプロ野球選手が多い高校
- 2026年に一軍でプレーした岡山出身の現役選手
岡山県出身のプロ野球選手で組んだスタメン発表
まずは結論のオーダーから。指名打者(DH)ありのルールで組んでいます。成績はNPB一軍の通算(2026年10月17日時点)です。
| 打順 | 守備 | 選手 | 通算成績 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 1番 | 中堅 | 佐々木誠 倉敷市出身 | 1,599安打・242盗塁・打率.277 | 1992年に首位打者と盗塁王を同時に獲った韋駄天 |
| 2番 | 遊撃 | 川相昌弘 岡山市南区出身 | 1,199安打・犠打533 | 犠打533は世界記録。2番を打つために生まれた男 |
| 3番 | 左翼 | 佐野恵太 岡山市南区出身 | 1,106安打・113本・打率.284 | 2020年首位打者。3000打席以上で打率は岡山出身2位 |
| 4番 | 一塁 | 大杉勝男 勝田郡奈義町出身 | 2,228安打・486本・1,507打点 | 本塁打王2回・打点王2回。安打・本塁打・打点で岡山出身1位 |
| 5番 | 捕手 | 頓宮裕真 備前市出身 | 397安打・57本・打率.249 | 2023年首位打者。山本由伸と実家がお隣の幼なじみ |
| 6番 | 右翼 | サブロー 岡山市北区出身 | 1,363安打・127本・655打点 | 2005年ロッテ日本一の「つなぎの4番」 |
| 7番 | 三塁 | 三宅秀史 倉敷市出身 | 983安打・100本・199盗塁 | 700試合連続フルイニング出場の「元祖鉄人」 |
| 8番 | 指名打者 | 髙橋信二 津山市出身 | 768安打・82本・打率.266 | 2009年ベストナイン&ゴールデングラブ(一塁) |
| 9番 | 二塁 | 藤岡裕大 岡山市中区出身 | 634安打・99犠打 | 遊撃・二塁・三塁をこなす現役のロッテ主力 |
先発投手は山本由伸。捕手の頓宮裕真とは備前市で実家が隣同士、少年野球チームでは2人とも捕手だったという間柄なので、岡山打線のバッテリーはこの2人しかいません。
1番から9番まで、選んだ理由を1人ずつ
1番・中堅 佐々木誠(倉敷市・水島工)
リードオフマンは佐々木誠さん。南海・ダイエー時代の1992年に首位打者と盗塁王を同時に獲得し、盗塁王は1994年にも獲っています。通算242盗塁は岡山出身の1位、通算1,599安打と170本塁打はどちらも大杉勝男さんに次ぐ2位。ベストナイン6回・ゴールデングラブ賞4回と、走攻守すべてで文句なしの1番です。
2番・遊撃 川相昌弘(岡山市南区・岡山南)
2番はこの人以外に考えられません。巨人と中日で積み上げた通算犠打533は世界記録で、「バントの神様」の異名で知られます。岡山出身の犠打2位が120(太田光選手)なので、桁が違います。遊撃手としてゴールデングラブ賞も6回。1番の佐々木さんが出塁したら、確実に二塁へ送ってくれます。
3番・左翼 佐野恵太(岡山市南区・広陵)
3番はDeNAの佐野恵太選手。2020年に主将・4番を任されてそのまま首位打者、2022年には最多安打も獲りました。通算打率.284は、3,000打席以上の岡山出身選手の中で大杉さん(.287)に次ぐ2位。通算1,106安打は現役の岡山出身でダントツの1位で、まだまだ数字が伸びていく選手です。
4番・一塁 大杉勝男(奈義町・関西)
4番は迷う余地がありません。東映・日本ハムとヤクルトで通算486本塁打・2,228安打・1,507打点。安打・本塁打・打点・試合数のすべてで岡山出身の1位です。岡山出身100人の本塁打を全部足すと1,848本なので、その26.3%を大杉さん1人で打っている計算になります。
若手時代にコーチから受けた「月に向かって打て」という助言で開眼したエピソードは有名。本塁打王・打点王を各2回、1978年にはヤクルトの日本一で日本シリーズMVPに輝き、1997年に野球殿堂入りしました。
5番・捕手 頓宮裕真(備前市・岡山理大附)
5番はオリックスの頓宮裕真選手。2023年に首位打者とベストナイン(一塁手)を獲得しました。普段は一塁や指名打者での出場が多いものの、登録は捕手。今回は山本由伸投手とのバッテリーを組ませたくて、あえてマスクをかぶってもらいました。2人は備前市の実家が隣同士で、小学生のころは同じ少年野球チームで捕手をしていた幼なじみです。
なお、2026年は2月のキャンプで右ひざを痛め、7月に手術を受けたため一軍出場はありませんでした。来季の復活に期待をこめての5番です。
6番・右翼 サブロー(岡山市北区・PL学園)
6番は千葉ロッテの中心打者として活躍したサブローさん。通算1,363安打・655打点はどちらも岡山出身の上位3位以内で、2005年にはプロ初の4番に抜てきされて31年ぶりのリーグ優勝・日本一に貢献しました。「つなぎの4番」と呼ばれた打撃は6番にぴったり。2026年からは千葉ロッテの監督を務めています。
7番・三塁 三宅秀史(倉敷市児島・南海高)
7番は昭和の阪神を支えた三宅秀史さん。1962年まで700試合連続フルイニング出場を続けた「元祖鉄人」で、この記録は2004年に金本知憲さんが更新するまで残っていました。通算199盗塁は岡山出身の2位、ちょうど100本塁打と、守れて走れて長打もある三塁手です。NPBの記録では晩年の登録名「三宅伸和」で載っています。
8番・指名打者 髙橋信二(津山市・津山工)
DHは日本ハムなどでプレーした髙橋信二さん。捕手として入団し、のちに一塁へ。2009年にはベストナインとゴールデングラブ賞(一塁手部門)をダブル受賞しました。通算82本塁打・416打点は岡山出身の7位と6位。8番に置けるのはぜいたくです。
9番・二塁 藤岡裕大(岡山市中区・岡山理大附)
二塁は千葉ロッテの藤岡裕大選手。遊撃・二塁・三塁を守れる内野手で、通算634安打は岡山出身の9位、犠打99は4位。9番から1番の佐々木さんへつなぐ役割を任せます。頓宮選手とは岡山理大附・亜細亜大の先輩後輩でもあります。
投手陣は「200勝級」がずらり。岡山はまさに投手王国
打線より層が厚いのが投手陣です。岡山出身で通算勝利が多い順に並べると、平松政次201勝・秋山登193勝・松岡弘191勝・石井茂雄189勝と、4人続けて200勝前後。岡山出身100人の勝利数を全部足すと1,586勝で、その48.8%をこの4人で挙げています。
| 役割 | 投手 | 通算成績 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 先発(開幕) | 山本由伸 備前市出身 | NPB 70勝29敗・防御率1.82/MLB 33勝19敗・防御率2.61 | 沢村賞3回。2025年ワールドシリーズMVP |
| 先発2番手 | 平松政次 高梁市出身 | 201勝196敗・2,045奪三振 | 「カミソリシュート」。岡山出身で唯一の200勝 |
| 先発3番手 | 秋山登 岡山市出身 | 193勝171敗・防御率2.60 | 1960年MVP・大洋日本一。1000投球回以上で防御率トップ |
| 先発4番手 | 石井茂雄 真庭市出身 | 189勝185敗・705登板 | 阪急などで23年。登板数は岡山出身1位 |
| 先発5番手 | 野村祐輔 倉敷市出身 | 80勝64敗・防御率3.53 | 2016年最多勝。広島の25年ぶり優勝の立役者 |
| セットアッパー | 藤井皓哉 笠岡市出身 | 194登板・80HP・防御率2.30 | 戦力外→独立リーグ→ソフトバンクで復活 |
| 抑え | 松岡弘 倉敷市出身 | 191勝・41セーブ | 1978年沢村賞・ヤクルト日本一。セーブ数は岡山出身1位 |
※山本由伸投手のMLB成績はレギュラーシーズン(2024〜2026年)の通算で、MLB公式の数字です。NPBの成績はオリックス時代(2017〜2023年)。
開幕投手は山本由伸、2戦目は「カミソリ」平松政次
開幕投手はやはり山本由伸投手。オリックスで沢村賞を3年連続で受賞し、NPB通算の防御率1.82はけた外れです。ドジャース移籍後もMLBで33勝を挙げ、2025年のワールドシリーズでは日本人で松井秀喜さん以来2人目のMVPに選ばれました。2026年も14勝9敗・防御率2.53の成績です。
2戦目の平松政次さん(高梁市出身・岡山東商)は、右打者のバットを根元からへし折る「カミソリシュート」で大洋のエースとして活躍。1970年に沢村賞、1970・71年と2年連続で最多勝に輝き、岡山出身で唯一の200勝投手です。
1947年生まれの岡山出身投手4人で596勝
調べていて驚いたのが、1947年生まれの岡山出身投手の多さです。星野仙一さん(1月)・松岡弘さん(7月)・平松政次さん(9月)・森安敏明さん(12月)の4人がすべて1947年生まれで、通算勝利を合計すると596勝。星野さんと松岡さんは倉敷商の1年違いの先輩後輩で、高校時代の松岡さんは夏の県予選で平松さんの岡山東商とも対戦しています。プロでは星野さん(中日)・松岡さん(ヤクルト)・平松さん(大洋)がそろって「打倒巨人」に燃えました。
抑えはセーブ数1位の松岡弘、つなぎは藤井皓哉
松岡弘さんは先発のイメージが強いものの、通算41セーブは岡山出身で最多。1978年にはヤクルト初の日本一に貢献して沢村賞も受賞した大エースなので、最後を任せるには十分です。8回を任せる藤井皓哉投手(笠岡市出身)は、広島で戦力外になったあと独立リーグの高知を経てソフトバンクで復活した苦労人。通算80ホールドポイントは岡山出身の1位です。
ベンチ入りメンバーと監督
| 役割 | 選手 | 通算成績 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 代打の切り札 | 八木裕 玉野市出身 | 817安打・126本 | 阪神の「代打の神様」。本塁打は岡山出身4位 |
| 控え捕手 | 土井淳 岡山市出身 | 1,138試合出場 | 秋山登と高校・大学・プロで約18年バッテリー |
| 代走 | 岡大海 倉敷市出身 | 120盗塁 | 盗塁数は岡山出身4位。現役のロッテ |
| 内野の守備固め | 柴田竜拓 岡山市東区出身 | 907試合出場・82犠打 | DeNA一筋の内野手。二塁・遊撃・三塁をこなす |
| 監督 | 星野仙一 倉敷市出身 | 投手で146勝34セーブ/監督で1181勝 | 中日・阪神・楽天を優勝へ。2013年楽天日本一 |
ここ一番の代打は、阪神で「代打の神様」と呼ばれた八木裕さん(玉野市出身・岡山東商)。控え捕手の土井淳さんは、秋山登さんと岡山東高・明治大・大洋で約18年バッテリーを組み続け、1960年の大洋初優勝・日本一の正捕手でした。秋山さんが投げる日はこのバッテリーで行きます。
監督は倉敷市出身の星野仙一さん。現役時代の1974年には沢村賞と最多セーブを同時に受賞(史上唯一)し、監督としては中日・阪神・楽天の3球団でリーグ優勝、2013年には楽天を球団初の日本一に導きました。監督通算1181勝。燃える男がベンチにいれば、この打線はさらに燃えます。



サブローさんは今まさにロッテの現役監督なので、ヘッドコーチ兼任でベンチに入ってもらうのもアリですね。
岡山県出身のプロ野球選手100人 通算成績ランキング
オーダーの根拠にした、岡山出身100人の通算成績ランキングです。タブで部門を切り替えられます(NPB一軍の通算・2026年10月17日時点)。
| 順位 | 選手 | 安打 | 出身 |
|---|---|---|---|
| 1 | 大杉勝男 | 2,228本 | 勝田郡奈義町 |
| 2 | 佐々木誠 | 1,599本 | 倉敷市 |
| 3 | サブロー | 1,363本 | 岡山市北区 |
| 4 | 川相昌弘 | 1,199本 | 岡山市南区 |
| 5 | 佐野恵太 | 1,106本 | 岡山市南区 |
| 6 | 三宅秀史 | 983本 | 倉敷市 |
| 7 | 八木裕 | 817本 | 玉野市 |
| 8 | 髙橋信二 | 768本 | 津山市 |
| 9 | 藤岡裕大 | 634本 | 岡山市中区 |
| 10 | 横溝桂 | 623本 | 総社市 |
本塁打ランキングを見ると、1位の大杉さん(486本)は2位の佐々木誠さん(170本)の約2.9倍。打者では大杉さんが1人で突き抜けていて、投手は200勝前後が4人並ぶ――というのが岡山出身選手の特徴です。
岡山出身のプロ野球選手が多い高校
100人の出身高校(Wikipediaの経歴欄で最初に書かれている学校)を数えると、次のようになりました。
| 高校 | 人数 | 主な選手 |
|---|---|---|
| 倉敷工 | 14人 | 三宅博・杉本喜久雄・守屋功輝・福島章太 ほか |
| 関西 | 12人 | 大杉勝男・森安敏明・小郷裕哉・海野隆司 ほか(旧制関西中学の4人は別) |
| 岡山東商 | 11人 | 平松政次・八木裕・岡義朗・星野雄大 ほか |
| 岡山南 | 7人 | 川相昌弘・野本圭・高畠導宏 ほか |
| 倉敷商 | 6人 | 星野仙一・松岡弘・岡大海・上川畑大悟 ほか |
| 岡山理大附 | 5人 | 頓宮裕真・藤岡裕大・柴田竜拓 ほか |
| 広陵(広島) | 3人 | 佐野恵太・野村祐輔・太田光 |
| 岡山東 | 3人 | 秋山登・土井淳・横溝桂 |
人数では倉敷工がトップですが、通算成績の大物は岡山東商(平松・八木)、倉敷商(星野・松岡)、関西(大杉)に分かれています。県外の強豪・広陵(広島)に進んでプロ入りした選手が3人いるのも、県境の岡山らしいところです。山本由伸投手も高校は宮崎県の都城高校でした。
2026年に一軍でプレーした岡山出身選手
最後に、2026年シーズンに一軍の公式戦に出場した岡山出身選手です(NPB公式の2026年成績、MLBは山本由伸投手のみ)。
| 選手 | 球団 | 2026年の成績 |
|---|---|---|
| 佐野恵太 | 横浜DeNA | 129試合・123安打・打率.262 |
| 太田光 | 東北楽天 | 100試合・52安打・打率.202 |
| 海野隆司 | 福岡ソフトバンク | 88試合・45安打・打率.197 |
| 小郷裕哉 | 東北楽天 | 59試合・37安打・打率.227 |
| 柴田竜拓 | 横浜DeNA | 47試合・1安打・打率.091 |
| 岡大海 | 千葉ロッテ | 26試合・6安打・打率.133 |
| 上川畑大悟 | 北海道日本ハム | 23試合・11安打・打率.220 |
| 岡城快生 | 阪神 | 15試合・5安打・打率.152 |
| 藤岡裕大 | 千葉ロッテ | 9試合・3安打・打率.136 |
| 草加勝 | 中日 | 24登板・防御率2.59 |
| 廣畑敦也 | 千葉ロッテ | 4登板・防御率9.00 |
| 山本由伸 | ドジャース(MLB) | 14勝9敗・防御率2.53 |
この中で規定打席(443打席)に届いたのは佐野恵太選手だけ。100試合に出た太田光選手(楽天)、88試合の海野隆司選手(ソフトバンク)と、捕手2人も出場機会を増やしています。頓宮選手の復帰と合わせて、来季このオーダーを入れ替える選手が出てくるか楽しみです。
よくある質問
- 岡山県出身で一番ホームランを打ったプロ野球選手は?
-
大杉勝男さん(奈義町出身)の通算486本塁打が最多です。2位は佐々木誠さんの170本、3位はサブローさんの127本です(NPB一軍通算)。
- 岡山県出身で200勝した投手はいますか?
-
平松政次さん(高梁市出身)の201勝が岡山出身で唯一の200勝です。秋山登さん193勝、松岡弘さん191勝、石井茂雄さん189勝と、あと一歩の投手が3人続きます。
- 岡山県出身のプロ野球選手が多い高校は?
-
今回集計した100人では、倉敷工14人、関西12人、岡山東商11人の順でした。
- 山本由伸投手は岡山のどこの出身ですか?
-
岡山県備前市の出身です。高校は宮崎県の都城高校に進み、2016年のドラフト4位でオリックスに入団しました。
- この記事の成績はいつ時点のものですか?
-
NPB公式サイトの個人年度別成績を2026年10月17日に取得した数字です。山本由伸投手のMLB成績はMLB公式(レギュラーシーズン)の数字です。
あわせて読みたい










※候補はWikipediaの選手記事で出身地欄が岡山県の143人です。出身地は生まれた場所ではなく育った土地で書かれている場合があります。一軍出場のない選手や、記事のない選手は集計に入っていません。


コメント