岡山の梨狩りはどこでできる?
農園5選と、知らないと損する落とし穴
岡山はあたご梨の生産量が全国の4割を超える梨の名産地。それなのに、梨狩りを受け入れている観光農園はごくわずかしかありません。しかも「食べ放題」と「摘み取り持ち帰り」がまったくの別物で、下調べなしに出かけると当日がっかりします。公式情報だけを頼りに、2026年シーズンの全体像をまとめました。
- 掲載農園 5か所
- 食べ放題 3園
- 持ち帰り型 2園
- ピークは 9月
岡山の梨狩り2026|開催農園の早見表
2026年8月時点で、各農園および岡山県観光連盟が公表している情報をもとにした一覧です。
| 農園名 | エリア | 時期の目安 | スタイル | 料金の目安(大人) |
|---|---|---|---|---|
| 大原観光果樹園 | 新見市 | 9月上旬~10月上旬 | 食べ放題 | 1,000円 |
| 東居農園 | 浅口市 | 9月上旬~10月上旬 | 食べ放題公式未公表・要確認 | 要問い合わせ |
| 藤原園芸 | 赤磐市 | 9月6日~9月21日の土日祝 | 食べ放題 | 1,500円 |
| 水車の里 フルーツトピア | 矢掛町 | 8月29日~9月13日 | 持ち帰り | 1,800円(4玉) |
| 石原果樹園 | 岡山市東区 | 8月29日~11月3日 | 持ち帰り | 1,200円+狩り取り分 |
県内全域を見渡しても、梨狩りができるのは実質5か所ほど。ぶどう狩りの農園が数十軒規模で存在するのとは対照的です。しかも開催期間が2週間程度に絞られている農園もあるため、「行こうと思ったら終わっていた」が起こりやすいジャンルでもあります。
同じ梨狩りでも中身は正反対です。おなかいっぱい食べたいなら大原観光果樹園・東居農園・藤原園芸、良い梨を選んで持ち帰りたいなら水車の里フルーツトピア・石原果樹園。ここを取り違えるのが一番よくある失敗です。
なお料金や期間は天候や実の付き具合で前後します。出かける前に必ず各農園の公式サイトや電話で最新情報を確認してください。特に2026年は、後述するとおりネット予約のみ受け付けている農園もあるので注意が必要です。
【農園別】岡山で梨狩りができるスポット5選
1軒ずつ、特徴とアクセス、押さえておきたい注意点を見ていきます。
大原観光果樹園(新見市)
最大の特徴は、入園料だけで園内の果物が食べ放題になるというシンプルな料金体系です。梨狩りは9月上旬から10月中旬にかけて実施され、料金は大人1,000円、小学生800円、幼稚園児600円と、かなり良心的な設定になっています。なお梨狩りの終了時期は、新見市の観光ページが10月上旬まで、岡山県観光連盟の資料が10月中旬までと食い違っています。10月に入ってから行くなら電話で確認してください。
夏は桃狩り、9月上旬から11月下旬まではりんご狩りも行っており、シーズンによっては複数の果物を同時に楽しめます。営業時間は8時から17時と長く、個人やグループであれば予約不要で立ち寄れるのもありがたいところです(20名以上の団体は要予約)。
- 住所
- 岡山県新見市草間1204(直売所は草間1508)
- 電話
- 0867-74-3202
- アクセス
- 中国自動車道・新見ICから約30分/JR井倉駅から満奇洞行きバス「大原東」下車、徒歩約5分
- 駐車場
- 普通車30台、大型車10台
自社の公式サイトは無いため、自治体・観光連盟の掲載ページを最も確度の高い情報源として案内しています。
すぐ近くには満奇洞があります。果物狩りと鍾乳洞をセットにすれば、日帰りでも十分に満足感のある県北ドライブになります。鍾乳洞めぐりについては岡山の鍾乳洞3選|満奇洞・井倉洞・備中鐘乳穴 完全ガイドで詳しくまとめているので、あわせて計画を立ててみてください。
東居農園(浅口市)
浅口市金光町にある、梨を中心とした農園です。梨狩りの時期は9月上旬から10月上旬。園内で食べ放題を楽しめるスタイルとして紹介されていますが、制限時間や料金は公式には公表されていません。山陽自動車道の鴨方ICから約10分、JR金光駅やJR鴨方駅からもタクシーで5分程度と、公共交通でもアクセスしやすいのが強みです。
営業時間は9時から16時。20名以上の団体は前日までの予約が必要ですが、少人数であれば予約なしでも受け入れています。ただし料金が公表されていないため、訪問前に電話で確認しておくのが確実です。
- 住所
- 岡山県浅口市金光町佐方3308
- 電話
- 0865-42-5578
- 営業
- 9:00~16:00
- 駐車場
- 普通車30台、大型車3台
自社の公式サイトは無く、料金も非公表のため、電話での確認が確実です。
金光町といえば金光教の本部があるまちで、参拝と組み合わせて訪れる人も少なくありません。倉敷方面からのアクセスも良く、県西部にお住まいの方には一番行きやすい梨狩りスポットといえるでしょう。
藤原園芸(赤磐市)
岡山市の北東に隣接する赤磐市の農園で、ぶどう・桃・梨を生産しています。2026年のなし狩りは9月6日から9月21日までの土日祝日と、期間がはっきり区切られているのが特徴です。料金は大人(小学生以上)1,500円、幼児(3歳~5歳)1,000円。
ここで最も注意したいのが受付方法です。公式サイトでは電話予約を受け付けておらず、ネット予約のみとされており、受付開始は開催日の13日前の0時から。人気の週末は早い段階で埋まる可能性があるため、行きたい日が決まっているなら逆算してカレンダーに入れておきましょう。
公式サイトはこのプランについて「食べ放題」と明記しており、食べられる品種は9月上旬ごろが晴香・豊水、9月中旬ごろが南水・あきづきとされています(制限時間の記載はありません)。食べ切れなかった分は購入する決まりです。なお受付時間は15時から15時30分の間と、かなりピンポイントに設定されています。午前中に出かけて午後に立ち寄る、という感覚だと間に合わないおそれがあるので、当日のスケジュールは余裕をもって組んでください。
- 住所
- 岡山県赤磐市沼田1235-6
- 受付
- ネット予約(13日前0時より)/なし狩りは15:00~15:30に受付
- そのほか
- ぶどう狩りのほか、梨も並ぶフルーツバイキング(9月5日~27日の土日祝、15:30~17:00、小学生以上3,000円)も開催
お土産用の梨も1個300円から販売されており、晴香・豊水・あきづき・南水・甘太といった品種がそろいます。狩った分に加えて何種類か買って帰り、食べ比べをするのも楽しい過ごし方です。
水車の里 フルーツトピア(矢掛町)
小田郡矢掛町にある観光農園で、2026年の梨狩りは8月29日から9月13日までと公表されています。品種は豊水梨。入園料は無料で、料金は「4玉で1,800円」という設定です。うち3玉が摘み取り分、残る1玉は冷やした状態で試食させてもらえます。3玉ごとの追加も可能で、その場合は1,200円ずつ加算される仕組みです。
つまりここは食べ放題ではなく、摘み取って持ち帰るスタイル。「おなかいっぱい食べたい」という目的だと肩透かしになりますが、逆に言えば自分で選んだ実を確実に持ち帰れるので、贈答用や実家へのお土産を探している方には向いています。
オプションで、摘み取った梨を使ったミニパフェ作り体験(800円+体験料500円/5人単位)も用意されています。小さなお子さん連れなら、こちらまでセットにすると満足度がぐっと上がるはずです。
- 住所
- 岡山県小田郡矢掛町東三成3974-20
- 電話
- 0866-83-3423
- 予約
- ネット予約システムあり
矢掛町は旧山陽道の宿場町として知られ、本陣(石井家)・脇本陣(髙草家)がともに国の重要文化財に指定されている、全国でも唯一とされるまちです。梨狩りのあとに古い町並みを歩けば、そのまま半日観光のコースが完成します。
石原果樹園(岡山市東区)
岡山市東区西隆寺にある贈答用果樹園です。2026年の開園期間は8月29日から11月3日までと、県内では群を抜いて長いのが特徴。ヤーリー、あたご梨、豊水、のぞみ、南水、甘太、マリリン、新高と、栽培品種の幅が広く、時期をずらして訪れるたびに違う梨に出会える構成になっています。
料金体系は少し独特で、入園料が大人1,200円、2歳~12歳が1,000円(1歳までは無料)。これに試食が付き、狩り取った分は100gあたり150円前後で買い取りという形式です。食べ放題ではないため、家族4人で数個ずつ持ち帰ると、それなりの金額になる点は理解しておきましょう。
- 住所
- 岡山県岡山市東区西隆寺893-6
- 電話
- 086-944-0117
- 開園
- 平日10:00~15:30/土日祝9:00~15:30
- 予約
- 完全予約制(WEB予約)
こちらはヤーリー(鴨梨)の全国唯一の産地を名乗る農園でもあります。園内には樹齢150年という県内最古木があり、単なる果物狩りを超えた「岡山の梨の歴史に触れられる場所」といえるでしょう。ふらりと立ち寄っても入れないので、必ず事前に予約してから向かってください。
「食べ放題」と「摘み取り持ち帰り」はまったく別物
岡山の梨狩りで最もトラブルになりやすいのが、この違いです。同じ「梨狩り」という言葉でも、中身は大きく2つに分かれます。
大原観光果樹園・東居農園・藤原園芸
入園料を払えば、園内で好きなだけ梨を食べられるスタイルです。ただし持ち帰りは基本的にできません。
- 相場は大人1,000円~1,500円
- 大人数のレジャー向き
- 費用の上限が読みやすい
水車の里フルーツトピア・石原果樹園
試食は少量で、自分で選んだ実を購入して持ち帰るスタイル。「量」より「質」を求める人向けです。
- 贈答用を自分の目で選べる
- 家でゆっくり味わえる
- 狩った量に比例して金額が伸びる
どちらが良い悪いということではなく、目的に合っていないとがっかりするというだけの話です。「子どもをおなかいっぱいにさせたい」なら前者、「おいしい梨を確実に手に入れたい」なら後者、と割り切って選びましょう。
岡山は梨の名産地なのに、なぜ梨狩りが少ないのか
ここが、岡山の梨をめぐる最大のねじれです。あたご梨の全国生産量4割超を占める一大産地でありながら、観光農園としての梨狩りは片手で数えられる程度しかありません。
岡山の看板品種は、梨狩りシーズンが終わったあとに旬を迎えます。この「重ならなさ」が、梨狩りスポットの少なさを説明します。
看板品種の旬が、梨狩りシーズンから外れている
岡山を代表する梨は、あたご梨と鴨梨(ヤーリー)です。ところがJA全農おかやまが公表している出荷時期を見ると、あたご梨は11月下旬~12月下旬、鴨梨は11月下旬~12月中旬。梨狩りが一般的に行われる8月末から10月と、まるで重なっていません。
つまり岡山の主力品種は、観光農園のシーズンが終わったあとに旬を迎える晩生(おくて)の贈答用フルーツなのです。実際、あたご梨は平均1kg、大きなものは2kg以上という世界最大級の梨で、収穫後に冷蔵庫で追熟させてから出荷されます。木からもいですぐかぶりつく果物狩りには、そもそも向いていない性格の品種だといえます。
贈答需要が中心で、観光農園にする動機が弱い
あたご梨も鴨梨も、お歳暮シーズンに合わせた高級贈答品として流通しています。1玉数千円で確実に売れる作物であれば、わざわざ園を開放して観光客を受け入れる必要性は高くありません。岡山の梨は「狩る果物」ではなく「贈る果物」として発展してきた。これが、梨狩りスポットの少なさの背景にあると考えられます。
ちなみにあたご梨は、大正のはじめに東京の愛宕山付近で育成されたことからその名が付いたとされ、岡山では昭和34年に岡山市の篤農家が研究に着手し、15年をかけて栽培技術を確立したという歴史があります。岡山市東区の雄神地区が主産地として知られており、まさに石原果樹園のある一帯です。
あたご梨を狩りに行くつもりなら要確認
あたご梨の収穫は11月に入ってから。石原果樹園の開園期間は11月3日までなので、ぎりぎり重なる可能性はありますが、その年の生育状況次第です。あたご梨を目当てにするなら、果物狩りではなく直売所や産地直送の通販を利用するのが現実的だと考えてください。
いつ行く?岡山で狩れる梨の品種カレンダー
「梨」とひとくくりに言っても、品種によって食べごろは1か月以上ずれます。狩りたい品種が決まっているなら、時期の逆算が欠かせません。
緑がかった帯は梨狩りで狙える品種、金色の帯は直売・贈答が中心の品種です。
| 品種 | 時期の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 豊水 | 8月下旬~9月中旬 | 果汁が多く、甘みと酸味のバランスが良い定番 |
| あきづき | 9月中旬~下旬 | 大玉でシャリ感が強く、甘みが濃い |
| 南水 | 9月下旬~10月上旬 | 糖度が高く、日持ちしやすい |
| 新高 | 9月中旬~10月下旬 | 大玉で香りが良く、岡山の主力のひとつ |
| 甘太 | 10月上旬ごろ | あきづき×王秋から育成された晩生種。新高より果肉がやわらかい |
| ヤーリー(鴨梨) | 11月下旬~12月中旬 | 香り高い洋梨。狩りではなく直売・贈答が中心 |
| あたご梨 | 11月下旬~12月下旬 | 世界最大級。追熟してから出荷される贈答用 |
この表を見るとわかるとおり、梨狩りの実質的なピークは9月です。8月末は豊水がようやく走りはじめたころ、10月中旬を過ぎると多くの農園が梨のシーズンを終えます。土日祝しか開催しない農園があることも考えると、9月の3~4回しかない週末をどう使うかが勝負どころになります。
梨狩りを120%楽しむための準備と持ち物
果物狩りは手ぶらで行けそうに見えて、意外と装備で快適さが変わります。9月の岡山はまだ真夏並みに暑い日も多いので、油断は禁物です。
服装と暑さ対策
梨は棚仕立てで栽培されるため、園内は頭上に枝葉が広がった日陰になっています。ぶどう狩りと同じく直射日光は避けられますが、風が通りにくく蒸し暑くなりがちです。帽子、タオル、多めの飲み物は必ず用意しましょう。足元は土や下草で汚れるので、スニーカーが無難です。
持っていくと便利なもの
- ウェットティッシュ:手や口が果汁でべたつきます
- クーラーボックス:持ち帰り型の農園では必須級。車内に置くと傷みます
- 虫よけ:果樹園には虫が集まります
- 現金:小規模農園ではキャッシュレス非対応のことがあります
予約は「行きたい日の2週間前」を目安に
藤原園芸のように13日前から受付開始という農園があること、石原果樹園が完全予約制であることを考えると、行きたい週末の2週間前には予約状況を確認しておくのが安全です。天候不良で中止になるケースもあるため、前日の再確認も忘れずに。
梨狩りとセットで楽しみたい岡山のフルーツ
9月は、岡山のフルーツが一年で最も充実する季節でもあります。梨狩りだけで帰ってしまうのはもったいない時期です。
よくある質問
岡山で梨狩りができるのはいつからいつまでですか?
2026年は8月29日ごろから11月上旬までがシーズンです。ただし全期間開いている農園は石原果樹園のみで、多くは9月上旬から10月中旬に集中しています。藤原園芸のように2週間程度しか開催しない農園もあるため、9月の週末を軸に計画するのが確実です。
岡山の梨狩りで食べ放題ができる農園はどこですか?
大原観光果樹園(新見市)、東居農園(浅口市)、藤原園芸(赤磐市)の3園が食べ放題スタイルです。水車の里フルーツトピアと石原果樹園は摘み取って持ち帰る形式なので、食べ放題ではありません。ただし東居農園だけは形式も料金も公式に公表されていないため、事前に電話で確認することをおすすめします。
予約なしで行ける農園はありますか?
大原観光果樹園と東居農園は、少人数であれば予約不要で受け入れています(いずれも20名以上は要予約)。一方、石原果樹園は完全予約制、藤原園芸はネット予約のみで電話予約を受け付けていません。事前確認を強くおすすめします。
梨狩りであたご梨は収穫できますか?
基本的にできないと考えてください。あたご梨の収穫は11月、出荷は11月下旬から12月下旬にかけての晩生品種で、一般的な梨狩りシーズンとは重なりません。あたご梨を手に入れたい場合は、直売所や産地直送の通販を利用するのが現実的です。
子ども連れでも楽しめますか?
楽しめます。多くの農園で幼児料金(500円~1,000円程度)が設定されており、3歳未満は無料という園もあります。梨は棚の下で作業するため日陰が多く、暑さの面ではぶどう狩りと同程度の負担です。水車の里フルーツトピアにはパフェ作り体験もあるので、小さなお子さん連れならこちらが選択肢に入ります。
雨の日でも梨狩りはできますか?
小雨程度なら実施する農園が多いものの、足元がぬかるむため長靴があると安心です。荒天時は中止になる場合があるので、当日朝に電話やSNSで確認してから出発しましょう。
まとめ|岡山の梨狩りは「9月の週末勝負」
岡山県はあたご梨の全国生産量4割超を誇る梨の名産地でありながら、看板品種の旬が11月~12月に集中しているため、梨狩りができる観光農園は5か所ほどに限られています。だからこそ、行けるタイミングを逃さないことが何より大切です。
- ピークは9月。8月末に始まり、10月中旬にはほぼ終了する
- 食べ放題は3園(大原観光果樹園・東居農園・藤原園芸)、持ち帰り型は2園(フルーツトピア・石原果樹園)
- 予約方法が農園ごとに違う。完全予約制やネット予約限定の園があるので事前確認は必須
- あたご梨は狩れない。贈答用の晩生品種なので、直売所や通販で入手する
秋の入り口の岡山は、梨・ぶどう・りんごが同時に並ぶ、全国的に見てもぜいたくな季節です。週末に少し足をのばして、木からもいだばかりのみずみずしい梨を味わってみてください。

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