サバイバルホラーの金字塔『サイレントヒル』シリーズ。その魅力は、単なる驚かしではなく、重く、深く、心にまとわりつくような心理的恐怖にあります。
サイレントヒルFが発売され、ご本人実況が人気なので、今まで発売されたシリーズをまとめてみました
サイレントヒル
休暇を利用し、最愛の娘シェリルと共に静かな観光地サイレントヒルへと向かっていたハリー・メイソン。しかし、真夜中の山道で謎の少女を避けた末に事故を起こし、車ごと崖下へ転落してしまう。意識を取り戻したハリーの側から、シェリルの姿は忽然と消え失せていた。
娘を捜し求めて足を踏み入れたサイレントヒルは、深い霧に閉ざされ、異形の怪物が徘徊する死の町と化していた。ハリーはそこで出会った女性警官シビルから託された銃を手に、悪夢と現実が交錯する異界の探索を決意する。
謎めいた言葉を操る女ダリア、何かを隠す医師カウフマン、そして恐怖に怯える看護婦リサ。彼らとの遭遇を通じ、ハリーはこの町の変貌に「土着の宗教儀式」が深く関わっていることを知る。やがてダリアは告げる。「娘を救いたければ、少女の姿をした悪魔を倒せ」と。
幻影のように現れては消える少女の正体とは。そして、シェリルはどこへ消えたのか。狂気を孕んだ霧の奥で、ハリーを待ち受ける衝撃の真実とは――。
サイレントヒル2
ジェイムス・サンダーランドのもとに、3年前に病死したはずの妻メアリーから一通の手紙が届く。「思い出のあの場所で待っている……」 死者からの誘いに半信半疑ながらも、妻への断ち切れぬ想いを抱えたジェイムスは、かつて新婚旅行で訪れた観光地「サイレントヒル」へと足を踏み入れる。
しかし、かつての美しい町は深い霧に閉ざされ、異形の怪物が徘徊するゴーストタウンと化していた。ジェイムスは、執拗に襲い来る不死身の怪物「三角頭」の恐怖に怯えながらも、妻の面影を求めて探索を続ける。 その道中、彼は虚ろな瞳の女性アンジェラ、不可解な言動の青年エディー、メアリーを知る少女ローラといった奇妙な人々と遭遇する。さらに、亡き妻と瓜二つだが、性格も服装もまるで違う謎の女性「マリア」と出会い、彼女と行動を共にすることになる。
しかし、深まる霧と共に町はより狂気を帯びていき、マリアの身に降りかかる惨劇や、同行者たちの抱える闇がジェイムスを精神的に追い詰めていく。 なぜ、死んだはずの妻から手紙が届いたのか。この町が突きつける「真実」とは何か。霧の奥にある「思い出の場所」ホテルで彼を待ち受ける結末に向け、ジェイムスの孤独な贖罪の旅が始まる。
サイレントヒル3
休日のショッピングモール。少女ヘザーは、まどろみから覚めた直後、不条理な悪夢へと引きずり込まれる。しつこく付きまとう私立探偵ダグラスを振り切り、元の場所へ戻ろうとする彼女だったが、世界は突如として血と錆にまみれた異界へと変貌していた。
襲い来る異形の怪物たち、そして謎の女クローディアが告げる「思い出せ」という意味深な言葉。混乱と恐怖の中でなんとか自宅へ辿り着いたヘザーを待っていたのは、安息ではなく、最愛の父ハリーの無残な死だった。
クローディアへの激しい憎悪と復讐を誓うヘザーは、父が遺した手記から自らの出生の秘密を知る。かつてサイレントヒルで起きた惨劇、自身が「神」を宿す少女アレッサの生まれ変わりであること、そして父が本当の娘として愛してくれていたこと――。
全ての決着をつけるため、ヘザーはダグラスと共に霧の街サイレントヒルへと向かう。遊園地、そして教会。過去の記憶を取り戻したヘザーは、父の遺した秘薬を用い、クローディアが望む「神の誕生」を阻止しようと試みる。しかし狂信に囚われたクローディアは、自ら神を胎内に取り込み、歪な怪物を生み落としてしまうのだった。
神を殺し、終わらない悪夢を断ち切るために。悲しみを背負った少女は、最後の戦いへと挑む。
サイレントヒル4 ザ・ルーム
サウスアッシュフィールドハイツ302号室で平穏に暮らしていたヘンリー・タウンゼント。ある日突如としてドアが開かなくなり、電話も不通、窓さえ壊せないという異常な密室状態に陥る。監禁から5日目、浴室の壁に不可解な「穴」が開いた。脱出を試みて穴を抜けたヘンリーだが、その先には怪物が蠢く異界が広がっていた。
ヘンリーは自室と異界を行き来しながら出口を探すが、先々で出会う人々は次々と何者かに惨殺されていく。やがて前の住人の手記から、一連の怪異はウォルター・サリバンという男による「21の秘跡」の儀式であると判明する。ウォルターは歪んだ信仰により、302号室を「母」として目覚めさせるべく、ヘンリーや隣人のアイリーンを生贄として狙っていたのだ。
異界に取り込まれ負傷したアイリーンと共に、ヘンリーは事態の打開を目指す。しかし、ウォルターの執念と過去の犠牲者たちの亡霊が二人を追い詰めていく。儀式完成の時は迫り、現実と異界の境界も崩壊寸前。ヘンリーはウォルターの呪いを解き、この狂気の部屋から生きて脱出することができるのだろうか。
サイレントヒル ゼロ
配送業務の途中、深い霧に包まれた静寂の町「サイレントヒル」へ差し掛かったトラック運転手、トラヴィス・グレイディ。彼は突然路上に現れた少女を避けようとして停車し、彼女を追って辿り着いた火災現場で、全身に大火傷を負った少女を決死の覚悟で救出する。
しかし、直後に意識を失った彼が目覚めたとき、事態は不可解な方向へと動き出す。搬送先と思われるアルケミラ病院を訪ねるも、院長は**「そんな患者は存在しない」と断言。さらに、院内では看護婦のような姿をした異形の怪物が襲い掛かり、トラヴィスは謎の少女の導きによって「鏡」を通じ、血と錆にまみれた「裏世界」**へと足を踏み入れることになる。
消えた少女の行方を追い、表と裏、二つの世界を行き来するトラヴィス。その探索は、いつしか彼自身が封印していた幼少期の凄惨な記憶、そして両親にまつわる哀しい過去を暴き出す旅へと変貌していく。
なぜ少女は消えたのか。そして、この町がトラヴィスに見せる悪夢の意味とは。 町が隠す狂気の儀式と、トラヴィスの過去が交錯した先に待つ真実は、まだ霧の中にある――。
サイレントヒル ホームカミング
戦傷による入院生活を終え、軍人アレックス・シェパードは故郷シェパードグレンへと帰還(ホームカミング)した。しかし、かつて平穏だったはずの町は深い霧に包まれ、異形の怪物が徘徊する悪夢のような場所へと変貌していた。
最愛の弟ジョシュアと父アダムが行方不明であることを知ったアレックスは、幼馴染のエルや保安官代理ウィーラーと共に、変わり果てた故郷、そして隣町サイレントヒルの探索を開始する。その道中で、彼らは復活を目論む「教団」の不穏な影と、町に隠された血塗られた歴史に直面することになる。
探索が進むにつれ、アレックスが信じていた「現実」は音を立てて崩れ去っていく。自身が誇り高き軍人ではなく、実は精神病棟の患者であったという衝撃の事実。そして、教団を裏で操り、狂気的な計画を進めていたのが、エルの母・ハロウェイ判事であったこと――。
信じるべきものを失い、全ての元凶が身近な存在であったという絶望の中、アレックスはハロウェイを退け、囚われたエルを救出する。しかし、彼の旅はまだ終わらない。弟ジョシュアの死の真相、そして自身の失われた記憶の核心に触れるため、アレックスはさらなる深淵へと足を踏み入れる。
その先で彼を待ち受けるのは、弟への贖罪か、それとも逃れられぬ断罪か。アレックスの、そしてウィーラーたちの運命は、彼が過去とどう向き合うかに委ねられている。
サイレントヒル ダウンプア
ライアル州立刑務所の囚人、マーフィー・ペンドルトン。彼はある目的のため、隔離区画にいた囚人パトリック・ネイピアを襲撃し、その命を奪う。この事件を機に、マーフィーはより警備の厳重なウェイサイド重警備刑務所へと移送されることとなった。
激しい雨――「ダウンプア」が降りしきる中、移送バスは暗い山道を走っていた。しかし、突如として目の前の道路が崩落しており、回避を試みたバスはコントロールを失い、谷底へと転落してしまう。
マーフィーが意識を取り戻した時、バスは大破し、監視役の看守や他の囚人たちの姿はどこにもなかった。期せずして自由の身となった彼は、警察の手から逃れるため、深い森の奥へと進んでいく。
だが、そこはただの森ではなかった。異形の怪物が彼に襲いかかり、現実の風景が裏返ったかのような悪夢の世界が侵食を始める。逃げ惑う彼がたどり着いたのは、濃い霧と静寂に包まれた町「サイレントヒル」。
止まない雨と罪の意識に導かれるように、マーフィーは町へと足を踏み入れる。この町が彼に見せるのは、希望への出口か、それとも己の罪を裁く断頭台か。彼自身の過去と向き合う、孤独な彷徨が幕を開ける。
サイレントヒル ブック オブ メモリーズ
主人公の誕生日に、送り主不明で住所がサイレントヒルと記された奇妙な装飾の「本」が届きます。その中には自分の過去が詳細に書かれており、試しに内容を書き換えてみると、眠りから覚めたとき、現実がその通りに変化していました。
「最高の誕生日プレゼントだ」と本に魅了された主人公は、昇進、友人関係、恋敵の排除など、次々と現実を思うがままに書き換えていきます。
現実を書き換えるたびに、主人公は異形のクリーチャーが蔓延る迷路のような悪夢の世界を探索し、「守護者」と呼ばれる巨大クリーチャーと戦うことになりますが、これを「本」の副作用による単なる妄想だと割り切って考えます。
しかし現実世界では、主人公に不信感を抱く警察官のグレアムと、主人公とは別の「本」を持つ犯罪者のメリックが主人公を狙って現れます。主人公は「本」の力でメリックを始末し、グレアムの注意を逸らしますが、グレアムを退けるためのメリックの策略は、既に主人公の家族にまで及んでいました。
悪夢の中で、主人公は妹がグレアムと関係を持っていたことを知り、「本」で妹の現実を書き換えようとする過程で、今までの悪夢が自分の妄想ではなく、他者の人生の願いを否定し、書き換えたことで起こる戦いであったことに気づきます。
主人公は、他者に自分の人生を書き換えられる前に、自分自身の守護者である「鉄の守護者」と対峙し、戦いによって決着をつけようとします。
サイレントヒルf
物語の舞台は、1960年代、日本の山あいにひっそりと佇む町「戎ヶ丘」。
高校生の深水雛子は、家庭での口論から家を飛び出し、気持ちを落ち着かせようと町の中心部にある商店「千鶴屋」を目指していた。途中で親しい友人の咲子と顔を合わせるものの、彼女をよそおうように聞こえてきたのは「裏切り者」という不穏な陰口。
「千鶴屋」で幼なじみの修ら仲間たちと再会し、日常のひとときを取り戻そうとした矢先、その平穏は突如として崩れ去る。地を這う赤い植物が町を侵食し始め、咲子が皆の目の前で倒れてしまう。そして、濃い霧の中から現れた異形の怪物が彼女たちを襲撃。仲間は散り散りとなり、戎ヶ丘は臓物めいた赤花が咲き乱れる異界へと変貌していく。
逃走と探索の最中、雛子は激しい頭痛に襲われ意識を失う。次に目覚めたのは、無数の鳥居が並び立つ、幻想的かつ不気味な異世界だった。そこでは狐の仮面をつけた謎めいた男が何らかの儀式を執り行っており、雛子は抗う間もなくその場に引き込まれていく。
町が地獄と化す肉体的恐怖と、異世界で正体不明の儀式に組み込まれる心理的恐怖――二つの悪夢が、雛子の運命を絡めとり、物語の糸は、どこまでも深淵へと続いていく。

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