京都議定書:気候変動と温室効果ガス削減への取り組み

※アフィリエイト広告を利用しています

スポンサーリンク

昨日めっちゃ雨が降ったので、気象についての記事をここでひとつ

目次

京都議定書とは

京都議定書は、1997年に京都で開催された「気候変動に関する国際連合枠組条約の第3回締約国会議(COP3)」で採択され、先進国を中心に温室効果ガスの削減を法的に定めた国際協定です。

気候変動問題への意識が高まりつつあった1990年代後半、二酸化炭素(CO₂)をはじめとする温室効果ガスが地球温暖化の主な原因として特定され、これらの削減が急務とされました。京都議定書は、こうした状況の中で生まれた初めての本格的な削減目標を掲げた国際的な取り組みとして重要視されています。


京都議定書の採択と発効までの経緯

京都議定書は、COP3の場で各国が合意に達し、1997年に採択されましたが、正式な発効には時間がかかりました。

発効の条件は、締約国のうち少なくとも55か国が批准し、かつ1990年の温室効果ガス排出量の55%以上を占める国が参加することでした。この条件を満たしたのは2005年であり、その年に京都議定書は正式に発効しました。

発効まで8年もかかった理由としては、温室効果ガスの削減目標に対する国ごとの合意形成の難しさや、アメリカが途中で協定を離脱するなど、各国の経済的・政治的事情が関係しています。


京都議定書の第一約束期間:2008年~2012年

京都府 京都定義書とは

京都議定書の削減目標の一つは、1990年の基準年に対し、2008年から2012年の第一約束期間で、先進国全体で5%以上の削減を実現することでした。この目標を達成するため、各国・地域別に数値目標が設定されました。

  • EU(欧州連合): 8%削減
  • 米国: 7%削減(2001年に離脱)
  • 日本: 6%削減
  • カナダ: 6%削減(2012年に離脱)

この第一約束期間中には、削減目標達成を支援するための「京都メカニズム」が導入されました。このメカニズムにより、排出量削減が難しい国は、他国から排出枠を購入することができる仕組みが整えられ、柔軟な対応が可能になりました。


京都メカニズム:削減目標達成を支える3つの仕組み

京都議定書の特徴的な要素の一つが「京都メカニズム」で、これには3つの主要な仕組みがあります。これらの仕組みにより、各国は国内外で柔軟に削減目標を達成できるようになりました。

  1. 排出量取引(Emissions Trading)
    国々は排出量の「取引」を通じて、他国の排出枠を購入し、自国の削減目標に充当することが可能です。これにより、削減が難しい国が排出枠を購入し、目標達成を補完することができました。
  2. 共同実施(Joint Implementation)
    先進国間でプロジェクトを共同で実施し、削減量を共有することができます。例えば、ある先進国が他の先進国で削減プロジェクトを行った場合、その削減分を自国の目標達成に計上できる仕組みです。
  3. クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism: CDM)
    先進国が開発途上国で温室効果ガス削減プロジェクトを行い、その削減量を自国の削減目標に反映できる仕組みです。これは、開発途上国の温室効果ガス削減を支援し、かつ先進国の目標達成を促進する役割を果たしています。

第一約束期間の成果と課題

第一約束期間終了後、各国の達成状況が評価されました。欧州連合は12.2%の削減を達成し、日本も8.4%の削減を実現しました。しかし、米国とカナダはそれぞれ2001年と2012年に離脱し、特に米国の離脱は大きな影響を及ぼしました。

京都議定書に参加していない国も温室効果ガスの削減が進んでいないことから、協定の影響力に限界があることが浮き彫りになりました。また、途上国には削減義務がなく、途上国からの排出増加が全体の削減努力を相殺する側面も課題として指摘されました。


京都議定書の第二約束期間:2013年~2020年

2012年、カタールのドーハで開催された第8回締約国会議(CMP8)において、京都議定書の改正案が採択され、2013年から2020年までの8年間を第二約束期間とすることが決定されました。

この改正案では、1990年比で18%の削減が目標とされました。しかし、先進国と途上国間の意見の違いや、一部の主要国が参加を見送ったため、第二約束期間は十分に発効しないままに終わることとなりました。


京都議定書からパリ協定へ

2015年には、新たな気候変動枠組みとしてパリ協定が採択されました。

京都議定書の主な欠点とされたのは、先進国にのみ削減義務を課し、途上国には義務がないという点でした。しかし、世界的な温室効果ガスの排出量の増加が途上国にも広がっている現状では、すべての国が削減に取り組む必要があると認識されていました。

そのため、パリ協定では先進国・途上国を問わず、すべての締約国が自国の状況に応じた削減目標(自主的削減貢献)を設定し、実施する枠組みが設けられました。


京都議定書の意義と今後の課題

京都議定書は、気候変動問題に対する世界の共通認識を築く重要な役割を果たしました。法的拘束力を伴う初の削減目標を掲げ、各国が協調して取り組む礎を築いたことは評価されています。

しかし、先進国にのみ義務を課し、途上国の排出増加には対応できなかった点は課題とされ、より包括的な取り組みが必要とされるようになりました。

今後も、気候変動への取り組みは世界的な協力と各国の自主的な努力が必要とされます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次